2010-01-01から1年間の記事一覧

文化

『Web英語青年』に連載中の「21世紀の生のためのキーワード」、今回は近藤康裕さんによる「文化」です。これは、私の知る限り、日本語で「文化」について書かれた中でも最も迫力のある文章ではないでしょうか、というのは身内びいきでもなければ誇張でもない…

年末の固め打ちイヴェントが終了。 日曜は新自由主義研究会。なんだか本ブログの前のエントリーが暗いのことをご心配いただく。世の情けに感涙、かと思ったら、どうやら心配というよりは、日頃ふてぶてしいshintakが落ち込んでるのがうれしいということらし…

ブラウン夫人

明日の予習もあって、ヴァージニア・ウルフの「ベネット氏とブラウン夫人」を再読したのだが、なんだか不覚にも感動してしまった。『ジェイコブの部屋』へのアーノルド・ベネットによる批判への応答として語られ、書かれたこのエッセイの後半でウルフが、ア…

メモ

Revitalising Democracy: Devolution and Civil Society in Wales (Politics and Society in Wales)作者: Elin Royles出版社/メーカー: Univ of Wales Pr発売日: 2007/10/15メディア: ペーパーバックこの商品を含むブログ (1件) を見る 今日は早めの大掃除を…

続・頂いた本

頂いた本の紹介をもう三冊、忘れておりました。失礼。暴力 6つの斜めからの省察作者: スラヴォイ・ジジェク,中山徹出版社/メーカー: 青土社発売日: 2010/10/23メディア: 単行本購入: 1人 クリック: 13回この商品を含むブログ (18件) を見る おなじみ月刊ジ…

出た本、頂いた本

新キーワード辞典作者: トニー・ベネット,ローレンス・グロスバーグ,メギャン・モリス,河野真太郎,秦邦生,大貫隆史出版社/メーカー: ミネルヴァ書房発売日: 2011/01/20メディア: 単行本購入: 1人 クリック: 21回この商品を含むブログ (6件) を見る 配本は年…

ぶつぶつ

昨日あたりから、いまさらながらブツブツやりはじめました。左のリンクからどうぞ。

告知二件

グダグダ書いてるうちに、大事な告知を忘れておったよ。下記の通りです。 第17回新自由主義研究会とき:2010年12月26日(日)16:00- ところ:一橋大学国際研究館5Fゼミ室2 テクスト:大田信良『帝国の文化とリベラル・イングランド――戦間期イギリスのモダニ…

健忘症

自分の過去のブログを見ていてびっくり。この前のワイルド協会でのテーマにかかわる、こんな記述があって、「この人、分かってるな〜」と思ったら自分で書いたことだった。ジョック・ヤング『排除社会』について、それがなぜ「ポスト**」の語りになってい…

発表会

この土日は幼稚園の「発表会」。双子壱号機は土曜、弐号機は日曜と、二日連続。のはずが、壱号機、木曜に嘔吐および発熱発症。すわ。これまで散々練習してきて、家でも楽しそうにセリフを言ってたのに、これでお休みになってはかわいそう過ぎる。 金曜日一日…

全体性へのノスタルジア

しばらく映画について書いてなかったので、お勧めできそうなものを。ヒストリーボーイズ [DVD]出版社/メーカー: 20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン発売日: 2009/03/06メディア: DVD クリック: 6回この商品を含むブログ (9件) を見る …

配って、配って

ワイルド協会のシンポは無事終了。すでに話の大筋は前のエントリーで書いたとおりだが、今回の肝としては、「自由」をめぐる系譜を考えるときに、「市場における自由」と「国家のもとでの自由」という対立的な図式がどこかで生じており、その図式によって抑…

みんなの気持ち

『Web英語青年』の「21世紀の生のためのキーワード」連載、今月は秦邦生さんによる「気持ち/感情」です。 さすがによくまとまっています。ポイントは、ポストフォーディズムにおける感情労働/情動労働とは、ある意味での「私的だったはずの感情の公共化」…

悪夢

ワイルド協会の原稿、分量にして半分近く書いてたのに、それがなぜか保存されておらず、再構築作業中。ぐわあ。ふてくされてブログ書き始めてます。 この現象、前に論文書いてた時もあった。Word 2007で、サービスパックもインストールしてるんだが。上書き…

BI下の人間の魂

ワイルドのシンポまであと一週間。ヤバい。 とりあえず、thinking aloudということで、ここに書いてこれまでのところのプロジェクトを整理しとこう。「社会主義下の人間の魂」を扱おうと思っているのだが、どうやら主題は「リベラリズム」になりそう。という…

諸々

なんだかまたご無沙汰してますが、ここのところのいろいろと告知を。 先週の日曜は新自由主義研究会。最大限(最小限?)に煎じつめれば、これは「文化」という言葉が何をさすか、ということをめぐる闘争の話であろう。この論点の重要性、どうにも理解されな…

リベラリズム古今西西

週末は狼協会大会。どうにも体調が悪く、夜ホテルでもよく眠れなくて体調をさらに崩しそうだったので早々と退散してしまいましたが、本務校大学院のIさんの発表だけは這ってでも、と。(←いい先生アピール。)見事な発表をしてくれて一安心。 往復でこちらを…

リベラリズムの外側は無だ

『Web英語青年』の連載、「21世紀の生のためのキーワード」、今回は三浦玲一さんによる「リベラリズム」です。アイデンティティ主義とリベラリズムをめぐる氏の思考をまるっとまとめて読める、おいしい読み物になってますのでぜひ。 勝手に取り急ぎ付け加え…

Williamsコンファレンス報告

イギリスのRaymond Williams Societyのサイトに、Tony Pinkneyさんによる9月のイヴェントの報告がアップロードされています。かなり詳細にご報告いただいていてすばらしい。http://www.raymondwilliams.co.uk/

第16回新自由主義研究会

告知です。特別イベントといってもいいんではないでしょうか。ご参集ください。 第16回新自由主義研究会日時: 2010年11月14日(日)16:00〜場所: 一橋大学国際研究館5階 ゼミ室2テクスト:Raymond Williams, "Tragedy and Revolution," Modern Tragedy. (…

メモ:ジェイムソンとウィリアムズ

紀要の論文を、締め切り一日過ぎてようやく完成。すんません。で、それにかまけているうちに他の仕事が……。すみません、すみません。(切腹。) ところで、ゼミで『政治的無意識』を読んでいると、やはり私の作品読解の基本ってここなんだなあとつくづく。そ…

速度

久々に午後に会議のない水曜日。月末締切の原稿四本、英雄的に進めるぜ。って、無理(涙)。 ご恵贈いただきました。暴力 6つの斜めからの省察作者: スラヴォイ・ジジェク,中山徹出版社/メーカー: 青土社発売日: 2010/10/23メディア: 単行本購入: 1人 クリ…

カネの話

帝国の文化とリベラル・イングランド―戦間期イギリスのモダニティ作者: 大田信良出版社/メーカー: 慶應義塾大学出版会発売日: 2010/10/01メディア: 単行本購入: 2人 クリック: 16回この商品を含むブログ (6件) を見る ご恵贈いただきました。多くの章は別の…

シェリー

といっても詩人のシェリーではなく尾崎豊には『シェリー』という歌があるという話。 最近、1950年代イギリス小説を「イニシエーション小説」として見るという作業に着手したのだが、これはべつに文学史的な作業をしようというのではなく(最終的にはそうでも…

第15回新自由主義研究会

告知です。 第15回新自由主義研究会日時: 2010年10月24日(日)16:00〜場所: 一橋大学国際研究館5階 ゼミ室2テクスト:ジョヴァンニ・アリギ『長い20世紀――資本・権力・そして現代の系譜』報告者:大田信良 前回読んだジェイムソンが依拠したアリギの『長…

シラバス

なんだか最近更新頻度が減ってますが、まあそんな感じで。 10月もあっというまに半ば、授業が始まり、恒例の書類書きに追われたり、運動会があったりしているうちに月末までに仕上げるべき諸々が遅々として進まず、どうしたものやら。ここしばらく、どうも仕…

老いとBI

『Web英語青年』での連載、今回はわたしの同僚でもある越智博美さんによる「老いる」です。 まず、これは読みこみ過ぎかもしれないが、キーワードを「老い」ではなく、「老いる」としたところがまずは重要でしょうか。つまり、状態ではなくプロセスとしてこ…

RWカンファレンス終了

昨日のシンポを含む一連のイヴェント、無事終了。 あまりにも濃密な数日間で、まだうまく言語化できない感じはあるが、ともかくも、去年のスウォンジーでのシンポから連続してきた、日本とウェールズの知的なつながり、そして人間関係にとどまらない問題意識…

Raymond Williams in Transit II

月末のイヴェント、ちょっと遅くなりましたが告知します。(このエントリー、当日まで一番上に置いときます。)ウェールズからはDai Smith氏とDaniel Williams氏、イングランドからはTony Pinkney氏を招いて、ワークショップ(プレセミナー)とシンポジウム…