2024-01-01から1ヶ月間の記事一覧

中井亜佐子『エドワード・サイード──ある批評家の残響』(書誌侃侃房、2024)

エドワード・サイード ある批評家の残響 作者:中井亜佐子 書肆侃侃房 Amazon 著者とのトークイベントが控えているので、詳しくはその時に話したいとは思いますが、一周目を読了して、これは早く多くの人にお勧めしたくてちょっと書いておきます。 没後20年の…

『ジョン・ウィック:コンセクエンス』(2023)

『ジョン・ウィック』は第一作以降はもういいやと思っていたのだけど、卒論の口頭試問など終わって疲れ果て、何も考えなくていいものを観たいと思って放映。 結局、『ジョン・ウィック』シリーズというのは組織を抜けて仕事を辞めたいのに巻きこまれ続けて辞…

『かづゑ的』(2024、試写)

熊谷博子監督の新作『かづゑ的』の試写を拝見。 岡山のハンセン病療養所長島愛生園の元患者宮﨑かづゑさんにレンズを向けつづけた8年間。岡山の山間部に生まれたかづゑさんは、10歳で発症し長島愛生園に入所します。以降80年間、彼女はそこで暮らしてきまし…

『哀れなるものたち』(2023)

元々スコットランドの作家アラスター・グレイの原作(大学院の指導教官による翻訳)に親しんでいたのもあって楽しみにしていたところ、大変な前評判なのでいてもたってもいられず、先行上映に。 外科医ゴドウィン・バクスターが自殺した女性の脳に、彼女のお…

『罪の声』(2020)/『母性』(2022)

この二本をまとめるのは、単に今日のゼミで学生が発表の対象作品に選んだから、ということではあるのですが、学生運動が歴史的な背景になっているのが偶然にも共通してました。私は別に当時の学生運動を擁護したくもないですが、このように物語的に使われた…

『Saltburn』(2023)

突然ですが、ずっと放っておいたこのブログ、ちょっと復活させてみようと思います。読んだ本や観た映画など、そのままにしていてももったいないというか、これまではTwitter(現X)をほとんどメモ代わりにしていたのですが、もう少しまとまった感想をメモし…