落ち穂拾い〜『ウィンストン・チャーチル/ヒトラーから世界を救った男』(2017)、『ラストナイト・イン・ソーホー』(2021)

なんとなく、周辺情報から敬遠してしまって見損ねていた作品を落ち穂拾い。でも、『チャーチル』は分かるけど、『ソーホー』をなぜ敬遠したかは謎。謎なんだけど、勘は正しいというか、いずれもそれぞれの意味で、どうもな〜、な作品でした。

ウィンストン・チャーチル』については、ゲイリー・オールドマンの演技はそれはすばらしいのだけど、オールドマン、それでいいのか、と。とにかく、チャーチルの秘書のエリザベス・レイトンとチャーチルとの関係性に気持ち悪さを感じ続けざるを得なかったです。チャーチルのダメさ(その多くの部分は男性的ダメさ)を肯定するための道具になるだけの美女。

ちょっと調べると、この作品は「史実」に基づいているというのだけど、そこは本当に怪しい話だと思います。上記のレイトンとの関係についても、かなり外形的な事実から、細かな人間関係については相当に想像力を働かせているはずで、それで「史実に忠実」と言っていいのかどうか。そのような水準で伝記映画は「史実に忠実」にはなれない、という大前提を理解することが大事なように思います。

『ラストナイト・イン・ソーホー』については、エドガー・ライトは『銀河ヒッチハイク・ガイド』(これは原作好きなだけかもですが)や『ホット・ファズ』あたりが大好きだったのですが、これはとりわけ結末(ネタバレ回避)に納得感がなかったです。フェミニズム的というよりはむしろミソジニー的と言ってしまった方がいいような。

以上!