悪夢

 ワイルド協会の原稿、分量にして半分近く書いてたのに、それがなぜか保存されておらず、再構築作業中。ぐわあ。ふてくされてブログ書き始めてます。

 この現象、前に論文書いてた時もあった。Word 2007で、サービスパックもインストールしてるんだが。上書きして閉じたつもりが、上書きされていないという。このままじゃ不安でしようがない。だれか、対処法知りませんか?

 ついでながらで失礼だが、この前の土日はその原稿を書いたり、子供のクリスマスプレゼント選びに行ったりする合間をぬって、本務校で開催されていた日本イギリス児童文学会へ。発表を三本聴く。

 ウチの大学院生のTくんの『ピーター・パン』=帝国の維持論は、これまで何度も聴いている話ではあるが、歴史的な調査が進んで厚みを増してきた感じ。あとは、(これって根本的な問題だが)それとテクストの読みを説得的に結びつけることでしょうか。というか、テクストの特性表示がまだうまくいっていない。他とどう違うのか、という話。

 続いて、プログラムを見てなかったので知らなかったが、偶然にも古くからの知り合いのN垣さんの発表。『ハック』のアダプテーション研究。素材は豊富で面白そうだが、残るはそれらを位置づけるための歴史観でしょうか。いや、ご本人はそういうの抜きで、『ハック』が「現代の児童文学」たりうるかどうか、というところに力点がありそうで、そのような考え方も実は新鮮だったりしますが。

 日は変わって同僚のM浦さんの『ハリポタ』=ネオリベ論。いや痛快。いくつかの疑問があって、たとえばこの話を「成長」というタームで語るとどうなるのかしら、とか、『ハリポタ』前半の「健全」な競争と、後半のリアルな闘争との対立については、それと「戦争」(の抑圧・排除)の問題との関係はどうなる?とか、前半ってネオリベじゃなくて福祉国家メリトクラシーとは読めないか(読めないそうです)とか。なんにせよ、非常に刺激的で、ワイルド協会の原稿書きも一気に力づいた感じ……だったのが、消失。ああ。

 仕事に戻ろう。