2011-01-01から1年間の記事一覧

価値と大晦日

『Web英語青年』のキーワード連載、今回は「価値」です。これまでとは打って変わって真っ正面からぐいぐい論じられております。思うに、文学研究において「価値」の問題は長らく棚上げにされてきたと言えるかもしれません。文学的経験、さらには経験一般の「…

いただいた本

いただいた本をいただいた順にご紹介。いや、最近(いや、もともと?)本当に礼儀を知らない人間になっておりまして、ちゃんと御礼も言ってなかったり。すみません。ロンドン物語: メトロポリスを巡るイギリス文学の700年作者: 河内恵子,松田隆美出版社/メー…

第28回新自由主義研究会

告知です。 第28回新自由主義研究会 とき:2011年12月23日(金) 16:00〜 ところ:一橋大学国際研究館5Fゼミ室2 テクスト:PMLA 126.2 (March 2011)より、冒頭のEditor's ColumnすべてとRichard Godden, "Labor, Language, and Finance Capital" (pp. 412-42…

教科書

昨日は『愛と戦いのイギリス文化史1951-2010年』の「まとめの会」。 「合評会」ではないことには理由があって、基本的に教科書として編まれたこの本を「いかに使っていくか」ということろに重点を置いたと理解しています。もちろん「合評会」という形式でそ…

持つ

『Web英語青年』のキーワード連載、今月は「持つ」で私が書きました。われながら「すらすらと」書けてしまった感じ。だからいいものになったという保証はありませんが。いや結構満足しているのですが。 イチローとAKB48はわたしたちだ、という話。

失われた二〇世紀

失われた二〇世紀〈上〉作者: トニー・ジャット,河野真太郎,生駒久美,伊澤高志,近藤康裕,高橋愛出版社/メーカー: エヌティティ出版発売日: 2011/12/21メディア: 単行本購入: 1人 クリック: 126回この商品を含むブログ (10件) を見る失われた二〇世紀〈下〉作…

トラモダ

一橋大学での科研費プロジェクトの成果報告ホームページ、「トランスアトランティック・モダニズム」が形になってきたのでここで宣伝いたします。 最新の項目としては、紀要の特集「トランスアトランティック・モダニズムII」の合評会報告と、それに対する執…

告知二件

告知二件です。 新英米文学会11月例会「知を涵養する――成人教育と文学研究」第二回 文 化 としての 教 育日時:11月19日(土)14:00〜 会場:早稲田奉仕園講 師: 井上美雪(東洋大学)イギリス20世紀公教育と成人教育 権田建二(成蹊大学)W.E.B. Du Bois …

第27回新自由主義研究会

ショートノーティスになりますが、告知です。 第27回新自由主義研究会とき:11月13日(日)16:00-ところ:一橋大学国際研究館5Fゼミ室2テクスト:関曠野『フクシマ以後――エネルギー・通貨・主権』(青土社)報告者:河野真太郎 関曠野さんの『フクシマ以後』…

依存頼り

『Web英語青年』のキーワード連載、今月は山口菜穂子さんによる「依存」。これまた新自由主義下でもっとも評判の悪い言葉のひとつといえましょうか。依存の否定という、抜け出すことは非常に難しい感情構造にどう向き合うか。これは、これまで書いた「成長」…

Key Words 9

イギリスのレイモンド・ウィリアムズ学会の機関誌Key Wordsの第9号が届きました。特集はRaymond Williams in Japan。2年前のスウォンジー大学でのカンファレンス、去年の日本女子大学でのセミナーとカンファレンスが結実したものです。執筆者は大貫隆史、近…

モダンの時間

土曜は冷戦読書会。私が「『闇の奥』と『結晶世界』、または、時間の中にある身体からの逃走」と題して発表。我ながらこれは面白い、というかバラードが面白いのだが、いろいろと有益なアドヴァイスをいただく。課題をメモしておくと、今回は『結晶世界』(…

第24回冷戦読書会

告知です。私がしゃべります。 第24回冷戦読書会とき:2011年10月29日 13:00〜 ところ:一橋大学国際研究館5Fゼミ室2 報告者:河野真太郎テクストと内容: 今回はイギリスの冷戦期を考える、ということで、J. G. バラードの『結晶世界』を読みます。コンラッ…

ゴシックの本質

ゴシックの本質作者: ジョン・ラスキン,川端康雄出版社/メーカー: みすず書房発売日: 2011/10/08メディア: 単行本購入: 1人 クリック: 10回この商品を含むブログ (6件) を見る ご恵贈ありがとうございます。しかしラスキン、告白すると大学院生のころに読ん…

第26回新自由主義研究会

告知です。 第26回新自由主義研究会とき:10月16日(日)16:00-ところ:一橋大学国際研究館5Fゼミ室2表テクスト:ロイック・ヴァカン 『貧困という監獄』(新曜社) 裏テクスト:Loic Wacquant, Punishing the Poor報告者:三浦玲一新自由主義と刑罰社会 pol…

無料のユートピア

『Web英語青年』のキーワード連載、今月は「運命」です。 私は以前、同じ連載で尾崎豊を論じた(というかダシにした)けれど、現代を論じるなら尾崎じゃなくてスピッツだろう、というわけです。いや、やはり「スピッツ論」ではないんですがね。スピッツと幸…

田舎と都会と原発

祝(ほうり)の島 原発はいらない!命の海に生きる人々 [DVD]出版社/メーカー: 紀伊國屋書店発売日: 2011/08/27メディア: DVD購入: 3人 クリック: 54回この商品を含むブログ (9件) を見る この記録映画を、私は公平な目で見ることができない。というのは、こ…

ワークショップ第二弾

7月に開いた「原子力と文学」ワークショップ、継続企画です。 3.11後の状況はそれまで進んでいた「地方分権」(という名の地方切り捨て?)や、原発誘致、主に米との国際関係といった地政学的なプロセスを先鋭的に明らかにしたと思います。さらには震災と原…

las barcas

ご恵贈いただきました。「沖縄」を舞台・主題とする雑誌ですが、大きな特徴としては批評と創作が両方入っている点でしょうか。こういうのうらやましい。やってみたい。 特に、写真家の作品が多く載っており、巻頭近くの白木游さんの作品は、そのまなざしのあ…

愛と戦い、その2

愛と戦いのイギリス文化史―1951‐2010年作者: 川端康雄,河野真太郎,佐藤元状,大貫隆史,秦邦生出版社/メーカー: 慶應義塾大学出版会発売日: 2011/09/30メディア: 単行本 クリック: 25回この商品を含むブログ (10件) を見る ついにようやく、出ます。20世紀前半…

核家族時代

The Nuclear Age作者: Tim O'Brien出版社/メーカー: Penguin Books発売日: 1996/12/01メディア: ペーパーバックこの商品を含むブログ (1件) を見る 久々に、ポスト研究会の雑感を。 この小説のタイトルにあるnuclearは、「核兵器」の核と、「核家族」の核の…

告知

一橋大学にて、下記の要領で勉強会を開催します。放射性物質が拡散してしまった現在、今後どのように生活していけばよいのか、かなり具体的な知識が得られるはずです。 NPO 市民科学研究室 上田昌文さんと学ぶ 放射能とともに生きる―内部被曝との向き合い方 …

の秋

読書の秋。出版の秋。ということでふたたびご恵贈。ロビンソン・クルーソー (河出文庫)作者: デフォー,武田将明出版社/メーカー: 河出書房新社発売日: 2011/09/03メディア: 文庫 クリック: 10回この商品を含むブログ (154件) を見る 言ってみれば私が突然ヴ…

未来の考古学

未来の考古学 第一部 ユートピアという名の欲望作者: フレドリック・ジェイムソン,秦邦生出版社/メーカー: 作品社発売日: 2011/09/07メディア: 単行本購入: 1人 クリック: 92回この商品を含むブログ (10件) を見る ついに出ました。第一巻からということで、…

第23回冷戦読書会

こちらの読書会はこれまでここで告知していないような気がして、非常に恣意的ですが、次回こそは参加しようという決意表明代わりに告知です。 第23回冷戦読書会とき:9月12日(月)15:00-ところ:一橋大学国際研究館5Fゼミ室2テクスト:Tim O'Brien, The Nuc…

恋する

『Web英語青年』のキーワード連載、越智博美さんによる「恋する」です。 なんだか、すごいです。鬼気迫る勢いが。というのは大まじめに感心して言っているのですが、前回の「セカイ系」との対話と、そこからかなり踏み込んだ結論、わくわくしながら読んだわ…

聖なるテラー

テロリズム 聖なる恐怖作者: テリー・イーグルトン,大橋洋一出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 2011/08/25メディア: 単行本購入: 1人 クリック: 14回この商品を含むブログ (10件) を見る ご恵贈いただきました。例によって訳者解説から読むと、震災の前にイ…

第25回新自由主義研究会

お知らせです。最近、お知らせばかりですみません。 第25回新自由主義研究会とき:9月5日(月)16:00-ところ:一橋大学国際研究館5Fゼミ室2テクスト:ウルリッヒ・ベック 『世界リスク社会論』(ちくま学芸文庫)報告者:三浦玲一 一応、上記をテクストとし…

世界/セカイ

『Web英語青年』のキーワード連載、三浦玲一氏による「世界(セカイ)」です。 氏の「社会」と「コミュニティ」の区分については、(直接)文句を言ってきたのだが、今回のこれを読んで納得のいく部分が。つまり、新自由主義(サッチャー)が社会を否定した…

ワークショップ「原子力と文学」のお知らせ

こちら、当日まで一番上に出しておきます。最新エントリーは下をご覧ください。って最近更新が少ないですけど。日本英文学会関東支部のウェーブページはこちら。 提案者の提案内容を追記しました(7/1)。 日本英文学会関東支部ワークショップ 原子力と文学 …