雑誌

連載「文化と労働」について

雑誌『POSSE』で「文化と労働」という連載を始めることになりました。第23号に掲載された初回は「『アナと雪の女王』におけるポストフェミニズムと労働」。 連載の主旨といったことは今回は意識的には書いておらず、次号でマニフェスト的なものが書ければい…

『レイモンド・ウィリアムズ研究』第3号出来/レイモンド・ウィリアムズ研究会のお知らせ

というわけで、できました。ちなみに「出来」を「しゅったい」と読むというのは恥ずかしながら最近知りました。 それはともかく、目次はこちらをご参照ください。 編集するにあたって何度も読んでいますが、改めて読むととてもすばらしい出来(でき)になっ…

信じる

『Web英語青年』の連載「21世紀の生のためのキーワード」、最終回です。お題は「信じる」。共著者なので、内容については申し上げません。 足かけ2年間リレー連載を続けたわけですが、その二年間のちょうど真ん中は「3.11」で分断されています。いや、それを…

芸がある

『Web英語青年』のキーワード連載、今回は川端康雄「芸/芸術」です。 じつのところ、毎回キーワードが何であるかは知っていて連載を待っているのだが、「芸/芸術」と聞いて私がまず思ったのは「至芸の連続としてのポストフォーディズム」ということであっ…

価値と大晦日

『Web英語青年』のキーワード連載、今回は「価値」です。これまでとは打って変わって真っ正面からぐいぐい論じられております。思うに、文学研究において「価値」の問題は長らく棚上げにされてきたと言えるかもしれません。文学的経験、さらには経験一般の「…

持つ

『Web英語青年』のキーワード連載、今月は「持つ」で私が書きました。われながら「すらすらと」書けてしまった感じ。だからいいものになったという保証はありませんが。いや結構満足しているのですが。 イチローとAKB48はわたしたちだ、という話。

依存頼り

『Web英語青年』のキーワード連載、今月は山口菜穂子さんによる「依存」。これまた新自由主義下でもっとも評判の悪い言葉のひとつといえましょうか。依存の否定という、抜け出すことは非常に難しい感情構造にどう向き合うか。これは、これまで書いた「成長」…

Key Words 9

イギリスのレイモンド・ウィリアムズ学会の機関誌Key Wordsの第9号が届きました。特集はRaymond Williams in Japan。2年前のスウォンジー大学でのカンファレンス、去年の日本女子大学でのセミナーとカンファレンスが結実したものです。執筆者は大貫隆史、近…

無料のユートピア

『Web英語青年』のキーワード連載、今月は「運命」です。 私は以前、同じ連載で尾崎豊を論じた(というかダシにした)けれど、現代を論じるなら尾崎じゃなくてスピッツだろう、というわけです。いや、やはり「スピッツ論」ではないんですがね。スピッツと幸…

las barcas

ご恵贈いただきました。「沖縄」を舞台・主題とする雑誌ですが、大きな特徴としては批評と創作が両方入っている点でしょうか。こういうのうらやましい。やってみたい。 特に、写真家の作品が多く載っており、巻頭近くの白木游さんの作品は、そのまなざしのあ…

恋する

『Web英語青年』のキーワード連載、越智博美さんによる「恋する」です。 なんだか、すごいです。鬼気迫る勢いが。というのは大まじめに感心して言っているのですが、前回の「セカイ系」との対話と、そこからかなり踏み込んだ結論、わくわくしながら読んだわ…

世界/セカイ

『Web英語青年』のキーワード連載、三浦玲一氏による「世界(セカイ)」です。 氏の「社会」と「コミュニティ」の区分については、(直接)文句を言ってきたのだが、今回のこれを読んで納得のいく部分が。つまり、新自由主義(サッチャー)が社会を否定した…

個人

『Web英語青年』のキーワード連載、鈴木英明さんによる「個人」です。私(たち)がウィリアムズを媒介にして考えてきたことを、ちゃんと日本の思想の系譜でとらえており、刮目いたしました。ハイライトは福田恆存と石川啄木の対決であろうか。余裕があるゆえ…

悲劇ということば

『Web英語青年』のキーワード連載、今回は「悲劇」の(下)です。いや、この連載自体がかなりのチャレンジであり、願わくは事件であるなかでも、この「悲劇」は大事件でしょう。とにかく、お読みください。

悲劇

『Web英語青年』、アップロードされました。キーワード連載、今回は「悲劇(上)」です。心して読んでいただきたい。何かがほとばしり出てますので、それが何かを考えていただきたい。

その話を間違いにするために

新自由主義研究会ジジェクの巻。どうも文句を言うばかりになってしまう格好になったが、今回読んだジジェクの著作、現在への介入としてすばらしいと思う、というのが前提での文句でした。述べた通り、新自由主義のイデオロギー的な閉域が、リベラル資本主義…

自由

『Web英語青年』での連載、今回は私が「自由」で書きました。 震災直後の麻痺状態で、非常に苦しい執筆でした。その分よくなっているというよりは、なんだか筆が走っていない感じがしなくもない。しかしそんなことはともかく、今こそ重要な論点を提示できて…

資本のコミュニズム

現代思想2011年3月号 特集=認知資本主義とは何か 転換する世界経済作者: アントニオ・ネグリ,岩井克人出版社/メーカー: 青土社発売日: 2011/02/28メディア: ムック クリック: 11回この商品を含むブログ (2件) を見る これをぼちぼち読み進めてますが、「認知…

『レイモンド・ウィリアムズ研究』第2号出来

できました。目次は下記の通りです。無料で頒布しておりますので、ご入用の方は、本ブログのプロフィール欄に公開しております、私のアドレスまでご連絡ください。 レイモンド・ウィリアムズ研究 第2号目 次【特集】 関曠野インタヴュー――社会信用論、ベーシ…

社会

『Web英語青年』の連載、今回は「社会」です。次号へのパスもいただいて。 うむ。これは、なかなか出版されないある論文でも書いたことだけど、レイモンド・ウィリアムズの「わかる社会」について重要な点というのは、彼がこれを「感情の構造」である、と言…

成長

なんだかサッカー日本代表に関して成長成長うるさいからというわけではありませんが、『Web英語青年』でのキーワード連載、今回は「成長」です。文学が大きく取り扱われるのは初めてかもしれません。(とはいえ、最終的には読んでいただければ分かる通り、文…

文化

『Web英語青年』に連載中の「21世紀の生のためのキーワード」、今回は近藤康裕さんによる「文化」です。これは、私の知る限り、日本語で「文化」について書かれた中でも最も迫力のある文章ではないでしょうか、というのは身内びいきでもなければ誇張でもない…

みんなの気持ち

『Web英語青年』の「21世紀の生のためのキーワード」連載、今月は秦邦生さんによる「気持ち/感情」です。 さすがによくまとまっています。ポイントは、ポストフォーディズムにおける感情労働/情動労働とは、ある意味での「私的だったはずの感情の公共化」…

リベラリズムの外側は無だ

『Web英語青年』の連載、「21世紀の生のためのキーワード」、今回は三浦玲一さんによる「リベラリズム」です。アイデンティティ主義とリベラリズムをめぐる氏の思考をまるっとまとめて読める、おいしい読み物になってますのでぜひ。 勝手に取り急ぎ付け加え…

老いとBI

『Web英語青年』での連載、今回はわたしの同僚でもある越智博美さんによる「老いる」です。 まず、これは読みこみ過ぎかもしれないが、キーワードを「老い」ではなく、「老いる」としたところがまずは重要でしょうか。つまり、状態ではなくプロセスとしてこ…

批判とは何か

〈死の欲動〉と現代思想作者: トッド・デュフレーヌ,遠藤不比人出版社/メーカー: みすず書房発売日: 2010/07/24メディア: 単行本購入: 6人 クリック: 214回この商品を含むブログ (8件) を見る ご恵贈いただきました。ありがとうございます。精神分析批判の書…

キーワード

『Web英語青年』に、「キーワード」連載がアップロードされました。今回は「マネジメント」。書いてる二人は現在商学部所属というのが少々笑えるところであります。 同じ号には、『ジョージ・ベストがいた』の書評が。トットナム・ホットスパーにもっとペー…

労働倫理

土曜は新自由主義研究会。ジクムント・バウマン『新しい貧困』。毎年一冊以上の本を出し続ける著者のこと、記述の上では「書きっぱなし」な感じがあって、それが主な不満であったが、もうすこし本質的な不満としては、現代を「消費社会」と定義づけることが…

キーワード集連載

『Web英語青年』に「21世紀の生のためのキーワード」連載第3回が載りました。今回は「コミュニティ」。個人的なネタを仕込んだりして少し遊んでしまいましたし、結論にはけっこう苦労しましたが、会心の出来ではないかと思ってます。(と、いきなり自信を取…

第二回

『web英語青年』での連載、二回目がアップロードされました。こちら。 今日届いた本。Tenses of Imagination: Raymond Williams on Science Fiction, Utopia and Dystopia (Ralahine Utopian Studies)作者: Andrew Milner出版社/メーカー: Peter Lang Pub In…