みんなの気持ち

 『Web英語青年』の「21世紀の生のためのキーワード」連載、今月は秦邦生さんによる「気持ち/感情」です。

 さすがによくまとまっています。ポイントは、ポストフォーディズムにおける感情労働/情動労働とは、ある意味での「私的だったはずの感情の公共化」であり、最後に触れられるウィリアムズの「感情の構造」における「感情」も、やはりある形での公共化であると。かといってウィリアムズがネオリベだ、という非弁証法的な話ではなく、ポストフォーディズムによって感情が公共化されてしまっているがゆえに、ウィリアムズのいうような萌芽的なものとしての公共的感情に新たな可能性が見いだせるということ。

 あとは、前回の「アイデンティティ」の回も踏まえれば、この「感情の公共性」は最終的に階級的なものでなければならない。もちろん、固定されたアイデンティティとしての階級ではなくて、いまここに変容しつつある感情の構造というかたちの階級として。