『Web英語青年』に連載中の「21世紀の生のためのキーワード」、今回は近藤康裕さんによる「文化」です。これは、私の知る限り、日本語で「文化」について書かれた中でも最も迫力のある文章ではないでしょうか、というのは身内びいきでもなければ誇張でもないです。と言っても信じてもらえないでしょうからとにかく読んでみてください。
確かに日本国憲法の保障する「文化」は"ordinary"な文化なんだよなあ。これをまずもってきた時点でやられた、という感じだが、「疎外」を軸とする後段がとにかくすばらしい。文化は疎外であり、またその解決でもあり、また疎外の解消をめざす努力が20世紀の様々な悲劇を生みだしたなら、逆説的に文化にこそ可能性がある、というかそこにしかない、と。これをさらりと(でもないのかもしれないが)言えてしまう感性、参りました。
あと、昨日頂いた本。ミネルヴァ書房の映画学叢書、続々出るそうです。
- 作者: 杉野健太郎,加藤幹郎
- 出版社/メーカー: ミネルヴァ書房
- 発売日: 2010/12/10
- メディア: 単行本
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