愛と戦い、その2

愛と戦いのイギリス文化史―1951‐2010年

愛と戦いのイギリス文化史―1951‐2010年

 ついにようやく、出ます。20世紀前半版から苦節4年。

 私は編者の末席を汚すのと同時に、「序章2」「第20章 イギリスの解体――ウェールズ、炭坑、新自由主義」、それからコラム「都市は誰のもの?――ドックランズ再開発とグローバリゼーション」を書きました。

 序章「2」ってなんだ、と思われるかもしれませんが、20世紀後半に関して「文化史」を編むにあたって、そもそも「文化とは何か」というメタカルチュラルな思考が、まさにその「20世紀後半の文化」を支配していたとしたら、ではそのような文化はどのように思考可能なのか、という、おそらく普通「文化史」では問われないことを問うているつもりです。願わくはそれがこの教科書の特徴のひとつになっていればと。

 もうひとつの特徴は、本書の基本は「系譜学」であるということでしょうか。イギリスという遠い国の、見慣れぬ「文化」の問題ではなく、ここに書かれていることは基本的に私たちの現在の系譜として読んでほしい、という願いがあります。

 なんにせよ、「教科書」ですので重要なのはいかに使えるか、そして使うかだと思います。というわけで、ご採用お願いします(笑)。