- 作者: トニー・ジャット,河野真太郎,生駒久美,伊澤高志,近藤康裕,高橋愛
- 出版社/メーカー: エヌティティ出版
- 発売日: 2011/12/21
- メディア: 単行本
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発売はまだまだ先ですが、書籍情報は出てきてますので宣伝。(というかまだ校了してなかったりして……。)
『ヨーロッパ戦後史』などで名高いトニー・ジャットの書評や時事論をまとめた本です。知識人、イスラエル=パレスチナ問題、ヨーロッパと社会民主主義、アメリカとグローバリゼーションといったテーマ系です。
アルチュセールやホブズボームへの酷評など、ちょっと戸惑うくらいに独特な部分はありますが、これまで日本であまり受容されてこなかったタイプの「知識人」であろうと、つくづく思います。
ちなみにユダヤ人で若い頃にはシオニズム左派の理想に燃えたジャットは、イスラエルに対する幻滅を経て、パレスチナ問題について「一国家二民族解決」を支持するにいたります。つまり、サイードと逆から出てきて同じ結論に至った人。その辺りのあり方も非常に興味深い。
あと共感するのは、その隠れもしない社会民主主義擁護でしょうか。現在、国家以上に有効な「中間的なもの」はないだろうという断言には当然に批判があろうと思いますが、それをはっきり言ってくれる人もめずらしいわけで貴重。
そんなこんなでお楽しみに。