UKビザ取得顛末

 かなり苦労しましたが、ビザをようやく取得しました。

 同業者の多くはビザを取っているはずなのだけど、ネットでも意外とまとまった情報は少なく、また、身近な知り合いに聞いても、取って数年してしまえばみんな細かいことは忘れてしまっている。また、制度自体もどんどん変わっている。さらには、問い合わせ先に問い合わせてもろくな返事は返ってこない。本当に五里霧中で手探りという感じでした。

 で、この後ビザをとる同業者の参考になればと思い、ひととおりまとめておきます。

 あくまで、私の場合はこれで取得できたという事例です。これを読んで申請し、不利益を被っても、あしからず、です。


*カテゴリー
 まず、どのカテゴリーで申請するか。ここから躓きました。私の場合、ちょうど一年、フェローとして滞在する(現地で収入はない)ので、Academic Visitorが正解でした。これは一年だけで、他のみなさんのブログを見ると、更新はまず不可能とのこと。ですから一年以上の場合は、就労ビザのTier 5を取ることになるはずです。(結果的に、Academic Visitorのビザは一年と一日滞在できるものでした。)ともかくも、Tier 5の方は申し訳ありませんが他をあたってください。

 私は家族(配偶者と子供二人)も一緒に行くので、家族はAdademic Visitor Dependantというカテゴリーを選びます。この後紹介するサイトで、全員分の申請書を作成します。


*申請書
 下記のサイトで、アカウントを作って、申請書の作成をします。

https://www.visa4uk.fco.gov.uk/home/welcome

 上記の通り、私本人はAcademic Visitor、家族はそのDependantで全員分の申請書を作成します。

 いくつか記入で迷った点。

(1)住所はまだ決まっていないので、所属する大学の住所を記入しておきました。後で述べるBRP (Biometric Residence Permit)を受け取る郵便局は、大学の最寄りにしておきました。

(2)扶養家族分の申請書にもAcademic Detailsというセクションがあり、「専門は何ですか?」とかいう間抜けな質問がある。すべての欄を埋めないと先に進めないので、そこにはN/Aを記入、最後の自由記入欄でその理由(扶養家族なので専門などない、ということ)を記入しました。

(3)収入や生活費の欄。このビザは要するに、「私はイギリスで働いたり、公的資金をもらったりしませんよ」ということを証明するものです。なので、日本国内にちゃんと収入源があり、滞在のための資金があることを証明する必要があります。申請書の収入などの欄は、一応、この後述べる、大学から出してもらった収入の証明書と同じ額を書きこみ、滞在費用については概算で記入しました。

 全部記入したら、submitをし、declarationにサインをし、後述のBRPの受け取り郵便局を指定し、費用をクレジットカードで支払って(一人31,500円!)、申請の日時を予約します。申請については後述。


*BRP
 私が現在手にしているビザは、到着してから一ヶ月分しか有効ではありません。一年分の本チャンのビザ(Biometric Residence Permit)は、イギリスに到着してから10日以内に、指定しておいた郵便局に取りに行くことになります。詳しくは下記を。

https://www.gov.uk/biometric-residence-permits/overview


*提出書類
 必要な書類を確定するのに、大変苦労しました。私が提出したのは下記の書類です。不必要なものも混ざっているのかもしれませんが、とりあえずこれだけでビザが出たことは事実です。

・全員の写真一枚ずつ(写真の規程については下記サイトを。日本のパスポートとちょっと違うので注意です。背景はブルーなどではダメ、とか。)
https://www.gov.uk/photos-for-passports
・全員のパスポート(過去のパスポートも含む。紛失している場合は、申請書にその旨書けばOK。原本とコピー)
・受け入れ先の大学の、フェローとしての受け入れ証明書(原本とコピー)
・勤務先の大学から出してもらった、英文の証明書。(1)在職していること(2)年収(3)一年サバティカルに出すこと(4)大学から出る渡航・滞在費用額、を、一枚の証明書にまとめたもの。(原本とコピー)
・戸籍謄本の日本語原本と英文翻訳。(業者に依頼。翻訳証明書つき。原本とコピ−)
・メインバンクの過去三ヶ月のステートメントの日本語原本と翻訳。(私のメインバンクは預金通帳がないので、銀行に連絡して三ヶ月分の取引明細を送ってもらいました。それを業者に依頼して翻訳。翻訳証明書つき。原本とコピー)
・メインバンクの英文残高証明書。(これは銀行が英文で出してくれた。必要だったかどうかは謎。ともかくも、口座明細と同様、「お金あるよ、働かないよ」ということを証明するためです。)
・申請書のプリントアウト(最初の方と最後の方、二カ所に署名。)

 コピーを添付した書類はパスポートと一緒に返ってきます。


*申請
 電子申請の最後に予約した日時に、UK Visa Application Centreに、書類一式を持って家族全員で行きました。念のため、申請書はスペアもプリントアウトして。申請センターは大使館とは別組織です。日本では東京と大阪。場所は下記の通りです。

http://www.vfsglobal.co.uk/japan/japanese/applicationcentre.html#1

 荷物チェックや身体検査を受けてセンター内へ。番号札で呼ばれて書類を提出。ビザが発給された際には郵送してくれるサーヴィスもありますが高い(一人二千円弱)ので、取りに来ることを選択。

 基本的に、ここで書類について質問しても答えてくれません。全ての判断はマニラの大使館でする、と。まあでも、そうは言っても窓口の人は何も知らないわけではないので、ある程度の「探り」を入れることは可能でした。

 書類を提出した後は、別室で一人ずつ写真(監視カメラの角度と、正面から)を取り、指紋を採取。子供は付き添いできました。


*審査
 パスポートも含めた書類一式はマニラに送られます。審査が終わったら登録したメールアドレスにメールが届くとのことでしたが、私は土日も含めてちょうど二週間でそのメールが来ました。ただし、そのメールの文面が、'A decision has been made on your Visa application...'などという形で、ビザが無事発給されたどうかは伝えない内容。最初はリジェクトされたのかとドッキリしました。結局、取りに行ってパスポートを開くまでは発給されたかどうかは分からないわけです。

 メールがあった翌日、12:30から13:30の間に(有料サーヴィスを使うともっと時間に幅があります)センターに取りに行き、ドキドキしながらパスポートを開いてみると、無事ビザが貼り付けてありました。


 という感じで、こうまとめてみると簡単に見えるかもしれませんが、情報を拾い集めながらここまでたどり着くのは大変な苦労でございました。