翻訳伝言ゲーム

 ここのところ、一日に1〜2時間と決めて翻訳をしている。翻訳ばかりもしてられないし、かといってコンスタントに進めないといつまでも終わらない。そういえば、機械翻訳ってどうなのかしら? 学生に作文の課題を出すと、うちの大学は真面目な学生が多いため他よりは割合が少ないが、機械翻訳とおぼしきものも定期的に出会う。

 テスト。「私は一日に一時間翻訳をしている。」

I translate it for one hour on 1st.

 「いちにち」が「ついたち」と読まれ、勝手な目的語が加えられた。これをさらに和訳させたらどうなる?

私は、第1の上で1時間それを翻訳します。

 はい? なんだか、翻訳機械の中の人の無責任さに怒りを覚える。「一日」を「ついたち」と読んだのは自分のくせに、今度は「第1の上で」かよ。では、さらに英訳。

When I am first, I translate it for one hour.

 さらに。

私が最初のとき、私は1時間それを翻訳します。

 これは直前のものからは直訳になった。しつこく。

I translate it into me for one hour at the time of beginning.

私は、始まることの時点で、1時間それから私に変換します。

 ついに「翻訳」が消えた。

Then I convert it into me as of beginning for one hour.

 もうなんか、現代詩?

それから、私は1時間の端緒現在、それを私に変えます。

 うん、現代詩。エスを私に変えるそうです。

 誰か、「機械翻訳の偶然性を利用した詩集」なんて出さないかしら。(「こんな夢を見た」と同様の失敗作になるだろうけど。)

 さて、翻訳に戻ろう。