分裂(二冊に)

 研究室でその場にいる学生にパソコンからメールを送る、という場面があって(どうしてそんなことになったのかは話が長くなるので割愛)、もちろんすぐに届くのだが、その学生、「やっぱり近いから早いね」とのたまう。冗談かと思ったら、本気で言っている。メールが、パソコンから携帯へ直接送信されると思っていたらしい。

 これは、機械が苦手とかいう水準の話ではなく、世界のとらえ方に深刻な平坦さがあるのではないかと、驚愕する。

 閑話休題

アンチ・オイディプス(上)資本主義と分裂症 (河出文庫)

アンチ・オイディプス(上)資本主義と分裂症 (河出文庫)

アンチ・オイディプス(下)資本主義と分裂症 (河出文庫)

アンチ・オイディプス(下)資本主義と分裂症 (河出文庫)

 ほとんど義務のように、機械的に購入。私は、フランス語が分からないのをいいことに、フランス語で書かれた哲学書や批評書、特にフーコードゥルーズの翻訳を読んでは、「これ、もっと日常言語に近い言葉で書かれてるんじゃないの?」と怠慢かつ傲慢なことを考えていたが、この新訳、ちょっと拾い読みしたところでは旧訳よりも日常言語に近い感じになっている。

 ともかく、文庫になったというだけでも『アンチ・オイディプス』をポケットに入れられるという大きなメリットがあるのだから、義務のように購入。書を持って町に出よう。