剽窃と引用

ネット上からの不正コピペを判断する支援ソフト「コピペルナー」

12月11日13時15分配信 RBB TODAY

 ソフト開発会社のアンクは11日、コピペ判定支援ソフト「コピペルナー」を発表。12月下旬から発売開始する。おもに教育機関・ビジネス向けとして販売する予定。

 不正コピペを一度でお見通し?

 同ソフトは、レポートや論文などの電子文書において、web上の文章や、ほかの電子文書からの不正なコピー・アンド・ペーストが行なわれていないかどうかを解析するのに役立つ判定支援ソフト。金沢工業大学知的財産科学研究センター長・杉光一成教授が考案し、アンクが開発した形となる。

 機能としては、1つもしくは複数の文書を読み込み、webページや文献データベースを検索。それにより、コピー・アンド・ペーストが行なわれている箇所を解析するとうたう。判定結果には、コピペ割合やコピー元の文献などを表示。コピペしたと思われる箇所は、完全一致またはあいまい一致によって色別で表示されるという。さらに複数の文書を読み込み、文書間のコピペを点検し、グループ化して相関関係を表示することができる。

 教育機関向けのスタンダードライセンスは45,675円。スターターライセンス(シングルチェッカーのみの機能)は9,450円。スターターライセンスからのアップグレードは38,850円。ビジネス向けのスタンダードライセンスは67,200円。全て1ユーザーあたりの価格で、スタンダードライセンスについては、ユーザー数に応じてボリュームディスカウントを提供する。

 対応OSはWindows 7/Vista(SP2以降)/XP(SP3以降)。必須アプリケーションはMicrosoft Word 2003以上、Adobe Reader 8.0以上。対応ファイル形式はMicrosoft Word(*.doc,*.docx)、Adobe Acrobat(*.pdf)、テキストファイル(*.txt)。

 考案者である杉光教授は、このソフトを教育機関が用いることで「どうせコピペしてもばれてしまうから自分で考えてレポートを書こう」と思ってくれたら、と期待を寄せている。

 だそうです。コピペのレポート読んで気づかないことはまずないとは思いますが、まあ確かに、電子ファイルで出させたレポートをこれで一気にフィルタリングすれば便利かな。それでもちょと手間が減るというだけで、基本的には読めば気づきます。

 最後のコメントはちょっと力が抜けますが。繰り返しになりますが、コピペのレポートは読めばすぐ分かるのですよ。しかし、それでも出てくるのは、ばれないと学生が思っている証拠でもあるわけですが。だから、このソフトがコピペ抑止力になるとして、それは教員よりも学生を守るのに役立つということになる。(ただし、ネットのコピペではなく、稚拙なもののコピペであれば分からないかも。最近聞いたのは、サークル共有のコンピューターにレポートのアーカイヴがあって……などという恐ろしい話。)

 一方で、妙に残念なのは、部分的にコピペをする学生。それ、ちゃんと「引用」にすればいいのだよ、と思うのだが、当該の学生はそのような教育を受けてない、もしくは受けても忘れているのだな。

 これと関連するのかしないのか、

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 このような本を読んでいて、というかゼミの学生の要望で読まされていて、ネットのページランキングの解析プログラムは、もともと学術論文の被引用回数を解析するプログラムが発祥だと知る。この本で述べられている現在の「フリー」の状況というのは、学問の領域では従来的な常態だったのであり、それが一般化したときに出現するポストフォーディズム状況というものが骨身にしみる。グーグルで検索をすることは「労働」でもあるわけで。(この本は当然その状況に対して批判的な本ではありません。特に、最後の方で顕著になる自由市場有機体論はちょっと気持ち悪いくらい。でも、ブログの文章をそのまま書籍化して大売れするメカニズムがよく分かったりして、ちょっと面白かった。)