投擲、狂乱

 TAGTASフォーラムのレクチャー、終了。

 とにかく啓蒙的になろうなどとこれっぽちも考えず、ギリギリのところまで突っ走ろうという構えだったが、やはりそれでよかったのだろう。最終的にはみなさんには楽しんでいただけたようで、一安心。

 50分ほど話した後の2時間くらいにわたる討議がそれはもう大変だったが(インプロヴィゼーションがあまり得意ではないし)、最終的にはやはり、思考可能ではあっても表象(例証?)不可能なものというのはあって、それを表象しなくてもいいじゃん、というところ(どこ?)に落ち着いたような。

 討議で言ったようにアフォーマティヴは主な話題ではなかったのだが、やはり魅力的な概念らしく、そこに議論が集中。パフォーマティヴはすべて挫折・中断=アフォーマティヴをともなっているはずであり、パフォーマティヴが「成就」することは原理上ありえない。それは批評による分節化を促してやまないものである、というところが、重要であろう。またベンヤミン的な純粋暴力の、「最終解決」的ヤバさについて話が及んでいたが、ハーマッハーのすごいところは純粋暴力から導きだしたアフォーマティヴが、いつのまにやら「遅延」のモメントへと練り直されていることではないか、と今気づく。

 で、主な話題は「未来性」だったわけだが、この概念の練りあげがかなり進んだ手応えあり。というか、方向性として間違っていない手応えが得られたのが大収穫であった。

 会場でそのままお手製飲み会に移行。朝3時くらいまで、酒がなくなるまでひたすら飲み続ける。ぐだぐだに酔っぱらいながら、次回しゃべることについてのヒントなども。こんどはちょっと前衛を離れて、アフォーマンスならぬアフォーダンス批判か。続いて歌唱大会へ。Sさん狂乱のタンバリン男に変身。もうひとりのSさんの、毒々しいパフォーマンスに目眩を覚えつつ、もうひとりのSさんの美声に感嘆。