ゴケーゾウ

 いただいた本を、いただいた順に。

ジェンダー表象の政治学―ネーション、階級、植民地

ジェンダー表象の政治学―ネーション、階級、植民地

 いまや同僚本なわけですが、ありがとうございます。ぶっちゃけまだ数章しか読めておりませんが、読みます。この本は一橋でのリレー講義がベースになっているのだが、今年度は案の定私もやることになっている。おそらくテーマはリベラリズムフェミニズム。まずはナンシー・フレイザーの「承認と再分配のジレンマ」を出発点とし、それがジレンマとしてあらわれてしまう現在の系譜学を、19世紀終わりから20世紀初頭のリベラリズムの趨勢に見いだし、それを文脈にウルフの『私ひとりの部屋』や『三ギニー』を読むとどうなるか、といった感じだろうか。まあこれは後期の話なので先送りフォルダに。

ナショナリズムと想像力

ナショナリズムと想像力

 こちら、訳者は結構最近までこの本の訳業にうんうんおっしゃってた印象だったが、もう出た。珠玉のあとがきです。(というかまだあとがきしか読んでないんですが。)タイトルになっている「想像力」というのは、ふつうの言葉として使われている。つまり、スピヴァックもそのindebtednessを隠さないレイモンド・ウィリアムズ的な、ordinaryな言葉なのだと。想像力のふつうの意味というのは、現存するものとはべつのものを思いえがくこと。本書でスピヴァックは現存するのとはべつのネーション/ナショナリズムを思いえがくわけだ。どうやらそれは、ここのところの私の関心(『英語青年』に書いた「自由」の問題系)に深くかかわりそう。楽しみに読ませていただきます。