アゴニズムについての覚書

 アヴァンギャルド・レクチャーにむけてギアがひとつ上がった感じ。テーマは「アゴニズムと未来性」という方向でどうだろうかと考え始める。ポッジョーリが論じるように「アゴニズム」はギリシャ語の「アゴーネー(競技場)」そして「アゴーニア(苦悶)」と結びつく言葉であり、またポッジョーリが参照するマッシモ・ボンテンペッリが述べるように(ボンテンペッリの本が英訳さえないので困ったものであるが)、アヴァンギャルドの敵対性/受苦としての「アゴニズム」は、「前衛」の軍隊用語的含意そのままに、「後から来る者」のために道をきりひらく、もしくは後衛が乗り越えて前に進むための死骸の山となることなのである。

 もちろん想起されるのは再びブレヒト(「後に生まれる者たちへ」)であるし、ここでしつこく書いている「未来性」と前衛を結びつけることを、アゴニズムという理念は可能にするような気がする。そうするとウィリアムズ(残滓的/支配的/勃興的)とも結びついてくるわけだ。ふんふん。

 あと、アゴニズムといえばこんな翻訳が(今話題?の明石書店から)出ているので、批判的参照になる可能性はありながらも読まねばなるまい。

政治的なものについて ラディカル・デモクラシー

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