フォルト/ダー

 最近、親バカと後ろ指をさされている私です。

 でも、「子育て日記」の頻度がそれほどでもないのは、写真を載せないようにしているせいかも。写真載せたら、際限なくなるでしょうが。

 もうすぐ5ヶ月。いろいろなことができるようになってきた。ほ乳瓶を自分で持つ、何かをしゃべる、エビぞり(「エビぞり」というのはエビとは反っている方向が違うではないか、という指摘を最近受け、首肯した、が、それを言ったらエビは「反って」いない)、ケタケタ笑う、など。

 中でも、妹の最近のしぐさ。

 ミルクを飲みながら、自分の右手の人差し指を立て、それをじっと見つめている。やがてそれを握りしめて、こぶしを見つめている。また、人差し指を立てて見つめている。

 こ、これは、あの、「フォルト/ダー」ではないか!

 「フォルト/ダー」とは、かのフロイト博士が、糸巻きをベッドの向こうに投げて「フォルト(fort、ドイツ語で「なくなって」の意)」と言い、それを引き寄せて「ダー(da、「そこに」の意)」と言う遊びをしている孫を見て、それを母の不在と在を再演した遊びではないかと考えた、という逸話(?)である。

 今、私の娘は母の不在という痛々しい経験を、自分の人差し指に代理させて解消しようと、懸命の涙ぐましい努力をしている……いやいや、母ちゃんは隣にいるんですけど?