さて、そろそろ寝るか、でもまだちょっと眠くないし、映画でも観るか、途中で眠くなったら寝ればいいし……などと考えながら昨晩観始めたのはこれ。ヒース・レジャー追悼の意もこめて。
- 出版社/メーカー: ワーナー・ホーム・ビデオ
- 発売日: 2008/12/10
- メディア: DVD
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2時間半以上あるのに、面白くなって最後まで通して観てしまったわけです。今日は眠い目をこすりながら非常勤。
『バットマン』って基本的に「トムとジェリー」なわけです。仲良く喧嘩する。でも相手に死なれちゃ困る。一言で言えば、敵対的共犯関係。ジョーカーはその敵対的共犯関係にどこまでも意識的な分、つねに一枚上手。
その共犯関係が、なにをめぐる共犯関係なのか、と少し考えてみると、これはメディアをめぐる共犯関係と言えるだろう。つまり、コミックであれば「次号」または「次巻」、ドラマであれば「次週」、映画であれば「次作」へと、敵対関係を延長しつづける共犯関係。メディア産業は、ヒーローと敵対者を、あの手この手で生きのこらせ続け、その「生き残り方の差異」から富を生み続ける。シリーズものの「富を産みだす差異」といえば007の「ボンド・ガール」もそうであろう。
ジョーカーは、そのようなメディア産業システムを知り尽くしている。というかそのようなシステムそのものを空虚に体現してみせる。ジョーカーの愉快犯的側面というのは、メディアそのものの愉快犯性、もしくはメディアが期待する「純粋なるスペクタクルとしての犯罪」である。ジョーカーの天才的「創意」は、メディアによる差異の生産の理想像だ。それを徹底することで、ジョーカーは上記のメディア産業システムへの強烈な皮肉となる。
なんて話はおいておいて、『クラッシュ』効果がまだ続いている私には、ランボルギーニのクラッシュが異常に気持ちよかったわけです。なんだかすごく普通の「事故」って感じで。バットマン=ブルース・ウェイン、普通に首を痛めた様子だし。
そういえば、『バットマン・ビギンズ』観てないや。観よう。