『ダンジョンズ&ドラゴンズ/アウトローたちの誇り』(2023)

ダンジョンズ&ドラゴンズ、確か中学生のころにプレーしてて、『ロードス島戦記』とか『ドラゴンランス戦記』とか、スピンオフの小説も夢中になって読んでました。

ということで今回の映画化は気になっていたのですが、コロナ明けでようやく公開されたのをようやく配信で。

エンターテインメントとして非常によくできていたと思います。個人的にはヒュー・グラントがなんとも言えずよい。この人は若いときからうさんくささというか偽物感というか、そういうものを醸し出させたら天下一品であったと思うのですが、老境にいたってそれに磨きがかかったというか……。

ディズニーの『ウィッシュ』のマグニフィコ王はヒュー・グラントっぽいのだけど、むしろ『D&D』の主役エドガンのクリス・パインが演じたというのが面白いところです。クリス・パインもいい嘘くささをまとった役者ですね。

ところで、映画の感想はそれくらいなんですが、観ながら思いだしたのは、私は上記の『ドラゴンランス戦記』の中でも、マジックユーザー(魔法使いなんですが、D&Dの話をするならこう呼ばないと)のレイストリン・マジェーレが大好きだったこと。レイストリンはファイターのキャラモンの双子なのだけど、身体虚弱でずっと咳をしている。だけど魔法には長けていて、若くして「大審問」というテストに合格した、という設定。性格はねじくれてて仲間ともうまくはやっていけないけど、時々ツンデレ的に善行をする、という感じだったと記憶してます(なにしろ30年以上前の話なので……)。

善悪で言うと中立の赤いローブを着ているのですが、それが「闇落ち」して黒ローブを着るようになる。その辺のくだりがたまらなく好きだった私はどんな子供だったんだろう……。(というか上記のヒュー・グラントといい、私は嘘くさいものとか悪いものとかがどうも好きなんですね。)

それにしても、D&Dは、現代的なRPGの源流ということもあるのですが、自分たちでストーリーを想像/創造するという参加型の文化であり、それが上記のようなメディアミックスで展開していったというのは、いわゆるコンヴァージェンス・カルチャーの代表例のひとつですね。研究とかあるんだろうか。ありそう。

ということで、昔話でございました。