筋肉痛と50周年とヘーゲルとハイチ

 結局、テレビと掃除機を購入することになったのだが、ネットで注文しているときにふっと意識を失って気づいたらWii Fit Plusもなぜかうちに届く。二日ほどボクササイズやヨガをしただけで、全身筋肉痛とはこれいかに。いかに、というか日ごろの運動不足の激しさを物語っているわけですが。

 ギョウカイ的には「春休み」の「休み」は名ばかりで、やはり学期中と変わらないくらい大学に通うわけだが、この「休み」には翻訳と文化史教科書を英雄的に進捗させねばならぬ。

 そんな中、届いたNew Left Reviewの最新刊は、創刊50周年記念号。Mike Davis, Perry Anderson, Stuart Hall, Eric Hobsbawm, Robin Blackburn, Triq Ali, Franco Morettiなど、そろい踏み。Andersonは「二つの革命」と題して、20世紀はロシア革命の時代だったが、21世紀は文化大革命の時代であるというような、あいかわらずの、なんというか、大胆かつ戦略的議論をするいっぽうでHallはNLR創刊時を回顧する、味わいある文章。

 それとは別に、Susan Buck-Morssの新著の書評が載っていて、この本は以前の「ヘーゲルとハイチ」論文にもう一本付け足して本にしたもので、ちょっと注目していたのだが、書評はかなり否定的。Buck-Morssはヘーゲルが『精神現象学』で主人と奴隷の弁証法を論じた際に、ハイチ革命が念頭にあったというが、実証できないじゃん、という批判で、ほんと、つまらない読み方だよなあ、と思う。ちなみに、前に書きましたが、「ヘーゲルとハイチ」には『現代思想』に翻訳があります。

Hegel, Haiti, and Universal History (Illuminations: Cultural Formations of the Americas)

Hegel, Haiti, and Universal History (Illuminations: Cultural Formations of the Americas)