ウルフ

 昨日は結婚式。スピーチを頼まれたので笛を吹く。なんのこっちゃ。まあ、エイブンガクシャのスピーチだからと気の利かない引用なぞして座をしらけさせるよりは、と思って(そういうことをする人を非難しているのではありません。私、育ちが悪いもので)。しかし会場に行ってみてびっくり。隣のテーブルに、どこかで見たことある人がいるなあ……と思っていたら、なんと九重親方ではありませぬか。私、ファンでした。ウルフ。ヴァージニア・ウルフを専門にしたのもそのためです、と駆け寄って写真をぱちり……したかったのに、自分の出し物に精一杯でその余裕なし。不覚。嗚呼。

 本日はなんとなく疲れが残っていたし、そろそろ9月末と10月に向けてエンジンかけ直すべし、と思って仕事はほどほどに。というかほとんどせずに、買い物に行ってチューリップの球根を買い、子供たちに植えさせる。といっても球根を置く工程と水をやる工程だけですが。夕方になって「チューリップ咲いたかなー」と見に行くのはやめなさい。

 届いた本をパラパラ。これ、ちょっとやられました。

VOL lexicon(レキシコン)

VOL lexicon(レキシコン)

 やられた、というのは、常々「現代のキーワード辞典」が必要だと思っていたので。数ある批評理論用語辞典では、もうお腹がふくれないのです。(その「数ある」のひとつに関わりつつ、そう思うのですが。)ウィリアムズの『キーワード辞典』の「精神」のみを残してアップデートし、しかも日本語で書かれたキーワード辞典。で、具体的に実現の可能性も模索していたりするわけですが、それもあって「やられたなあ」と。

 まあでもちょっと守備範囲は違うのでまだまだ。「アウトノミア」や「新しい資本主義の精神」に始まるかと思えば、突然「海」。それだけで分かるように、なんというか、はなから包括的であることは放棄しているし、記述の方法も執筆者によってまちまちになっているのだが、それはもちろん良さとなっている。

 やるとすれば、もっと項目ごとの記述は厚く、またもう少し日常的な「ことば」のむこうに広がるものを考えさせるような感じかなあ。うん。