更新が滞っていますが、まあ理由は推して知るべし。ひとつだけ。子供を育てる人は、裏筋(首から背中、腰にかけて)を鍛えておきましょう。
二時間の映画を連続で全部観ることができない生活なので、断片的に観たのは、
- 出版社/メーカー: ワーナー・ホーム・ビデオ
- 発売日: 2006/09/08
- メディア: DVD
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劇場で観ることができなかったので、DVD発売と同時に入手。子育てでぐったり疲れたところでビッグ・ベン爆破でも見てスッキリするか、と観はじめる。
そのような、邪な動機には見事に応えてくれる映画でした。原作で何と言ってもインパクトがあるのは、冒頭のビッグ・ベン爆破なわけで、あの爆破のショックの後に物語が展開するのだが(東京都庁の爆破を見たい人は、『バトル・ロワイアルII』をどうぞ)、映画版はそれを逆転、爆破をクライマックスに持ってきていて、そのカタルシスたるやものすごいものがある。いや、膨大な引用や政治的含意にもかかわらず、この映画はビッグ・ベン爆破のカタルシスのためだけに存在しており、あとは無意味なのではないか、とさえ思う。
というわけで、かなり危険な暴力の美学化に成功しているのだが、美学化に成功しているというのは「昇華」に成功していることに等しく、したがって映画そのものはなんら危険ではない(この映画が危険だと思う人は、漫画やゲームの暴力描写が青少年犯罪を「引きおこしている」と考えるPTA的短絡思考の持ち主くらいだろう)。
追記:そうそう、顔が一度も出ないヒューゴ・ウィーヴィングはかなりの好演。能のお面のごとく、変化はないはずなのに様々な表情を見せるVの仮面は一見の価値があります。