新刊予告『戦う姫、働く少女』

 7月10日に、私の二冊目の単著、『戦う姫、働く少女』が発売となります。下に、版元ドットコムとAmazonのリンクを貼っておきます。

 版元ドットコムの方では詳しい目次が見られます。目次で、だいたい扱っている作品が一覧できるように配慮していますのでご参照ください。

 これまで一応「英文学者」としてやってきた私にとって、この本は大きな出発となります。ポピュラーカルチャー論であり、ジェンダーフェミニズム論でもあるのですが、それ以前にこれは新自由主義論でありポストフォーディズム論です。その点でじつのところ、私の中では、これとは全く違う種類の本である前著『〈田舎と都会〉の系譜学──20世紀イギリスと「文化」の地政学』と問題意識は通底しています。ですがその一方で、今回の本はこれまでとは全く違う読者層を意識して書いたものであり、広い読者を得て、もちろん批判も含めた議論を喚起できればと願っております。

http://www.hanmoto.com/bd/isbn/9784906708987

戦う姫、働く少女 (POSSE叢書 Vol.3)

戦う姫、働く少女 (POSSE叢書 Vol.3)

第50回新自由主義研究会

 ついに記念すべき第50回新自由主義研究会です。下記の通りです。ふるってご参加ください。

第50回新自由主義研究会


マーサ・ヌスバウムの『感情と法』を読みます。新自由主義においては「感情」や「情動」が、イデオロギー的にもそれに対する批判においても重要になっていますが、法の感情的根拠を哲学的に問うリベラル派哲学者の著作を読むことで、その問題に迫っていければと思います。


テクスト:マーサ・ヌスバウム『感情と法──現代アメリカ社会の政治的リベラリズム』(河野哲也監訳、慶應義塾大学出版会、2010年)
報告者:齊藤みどり
日時:2017年6月25日(日)15:00-
場所:一橋大学国際研究館5Fゼミ室2

2017年度第1回レイモンド・ウィリアムズ研究会

 です。参加自由となりますのでふるってご参加ください。

レイモンド・ウィリアムズ研究会
2017年度第1回研究会

日時:2017年4月8日(土)14:00-18:00
会場:中央大学後楽園キャンパス6405教室(6号館)

課題図書:セリーナ・トッド『ザ・ピープル──イギリス労働者階級の盛衰』(近藤康裕訳、み
すず書房)
報告者:河野(第一部・第三部)、廣瀬(第二部)

第49回新自由主義研究会

 William DaviesのThe Limits of Neoliberalismを読みます。新自由主義において「競争」という観念がいかなる「思想/理論」によって作り上げられたのかということを、(critical sociologyではなく)'sociology of critique'によって読み解き、新自由主義への根本的な批判を行う本です。余裕があれば同著者のThe Happiness Industryも紹介できればと思います。

日時:2017年3月22日(水)16:00〜
場所:一橋大学国際研究館5Fゼミ室2
テクスト:William Davies, The Limits of Neoliberalism: Authority, Sovereignty and the Logic of Competition, revised edition. (Sage, 2016)
副テクスト:William Davies, The Happiness Industry: How the Government and Big Business Sold us Well-Being. (Verso, 2015)
報告者:河野


The Limits of Neoliberalism (Theory, Culture & Society)

The Limits of Neoliberalism (Theory, Culture & Society)

The Happiness Industry: How the Government and Big Business Sold us Well-Being

The Happiness Industry: How the Government and Big Business Sold us Well-Being

第48回 新自由主義研究会

 私のサバティカル中は休止していた新自由主義研究会ですが、ぼちぼち再開いたします。第47回はちょっとクローズドでやったのですが、次回は通常開催です。フーコー新自由主義というテーマの本をみんなで読みます。参加自由ですのでどうぞご参加ください。

第48回 新自由主義研究会

日時:2017年2月9日(木)15:00〜
場所:一橋大学国際研究館5Fゼミ室2
テクスト:Daniel Zamora & Miachel C. Behrent eds., Foucault and Neoliberalism. Polity, 2016.
報告者:中井、河野、西、宮永、木原(順不同、予定)

2016年反省会

 研究会の告知板にしかなっていないこのブログですが、年末恒例の反省会はやるのです。

 今年の前半はサバティカル(正式には「海外研修」)でウェールズスウォンジー大学にお世話になっていました。そこでの経験は、アーカイヴ調査などの純粋研究上の部分でも非常に有意義だったのはもちろんですが、それ以外の部分、たとえばBrexitの「現場」に居合わせてしまったことから、日々のご近所づきあいにいたるまで、研究対象とする文学と文化が生み出された場にどっぷりと浸かることの重要さを、いまさらに学んだように思います。私は大学院生のあいだに留学することはせず、そのころは、「今時留学なんかしなくても勉強はできる」とうそぶいていたのですが、留学しないと学べないことは確実にあると反省するしだいです。(かといって、それが留学すれば必ず学べるかといえばそうでもないかもしれませんが。)

 で、そのような期間であったせいもありますが(というか、後半の半年が「リハビリ」のためにほぼ無であったせいでしょうが)、お仕事としては共著1冊、共訳1冊、学会発表1本ということに。まあ、最初の共著にはサバティカル中のかなりの時間を割いた、思い入れの強いものなのでこれでよしとします。来年以降は、サバティカルでの成果を出して行ければいいなと希望しているところ。

終わらないフェミニズム −−「働く」女たちの言葉と欲望

終わらないフェミニズム −−「働く」女たちの言葉と欲望

想像力の時制 (文化研究 II)

想像力の時制 (文化研究 II)

2016年度第3回 レイモンド・ウィリアムズ研究会

レイモンド・ウィリアムズ研究会開催のお知らせです。今回は、Daniel G. Williamsによるウェールズ文学・文化論Wales Unchainedの読書会ですが、それに先だって、この本で扱われている、Paul Robeson主演の映画The Proud Valleyの上映会(英語で、字幕なし)を行います。

ご関心のある方、自由参加ですのでどうぞご参加ください。終了後の「自由討論」は、「懇親会」と呼ばれることもあるようです。

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2016年度 第3回レイモンド・ウィリアムズ研究会 例会開催のおしらせ

今回は、冷戦研究会との合同開催となります。また、研究会の前半では、読書会への導入として映画を上映いたします。もちろん、第二部の読書会のみの参加も大歓迎です。奮ってご参加ください。

日程:2017年1月21日(土曜日)

会場:中央大学後楽園キャンパス(http://www.chuo-u.ac.jp/campusmap/kourakuen/) 
  6409教室 ※前回まで利用していた3号館ではなく、今回は6号館です。ご注意ください。

スケジュール:
12:15 開場
12:30 第一部:The Proud Valley(1940)上映会
   (上映時間は74分)

14:00 第二部:Daniel G. Williams, Wales Unchained読書会
課題テクスト:Daniel G. Williams, Wales Unchained: Literature, Politics and Identity in the American Century. (http://www.uwp.co.uk/editions/9781783162116)

18:00 研究会終了

18:15 自由討論 開始
 自由討論の会場につきましては、また改めてご連絡さしあげます。