第33回新自由主義研究会

 告知です。これは聞き逃すなかれ!

第33回新自由主義研究会


とき:2012年7月15日(日)16:00〜
ところ:一橋大学 東キャンパス国際研究館5F ゼミ室2
報告者:大貫隆


 大貫の博士号請求(予定)論文『ダブル・アイからコンプレックス・シーイングへ――レイモンド・ウィリアムズと悲劇文学』(仮題)の概要を報告します。本論文は、リチャード・ホガートのdouble eye、レイモンド・ウィリアムズのcomplex seeingという言葉を鍵語とするものです。
 ホガートのダブル・アイとは、二つの共在させがたい視点を同居させることであり、ウィリアムズのコンプレックス・シーイングとは、全体を複雑に見ることです。この二つは、くっきりと区分可能なものというより、相互にからみあったものですが、共通していることがあります。それは両者とも、現在の私たちに対し、制約と可能性の双方をもたらしている感情の構造である、ということです。
 本論文の目的は、この感情の構造の系譜を、次の三つのテーマに焦点を当てながらたどることにあります。(1)二重視(ダブル・アイ)の時代としての1950年代イギリス。(2)二重視と「ブレヒト以降」のイギリス。(3)全体を複雑にみること(コンプレックス・シーイング)としての悲劇(文学)。
 当日は、論文の概要を説明した上で、いくつかの章からの抜粋を紹介しつつ報告したいと考えています。