双子も来年度からはもう幼稚園、ということで「しつけ」をしていかなきゃいけないわけですが、食卓では、箸やスプーン、フォークの使い方はぼちぼち覚えてきたものの、まだ「手」の方が楽なので、油断すると手づかみでグチャグチャに食べる。
先日、偶然編み出したしつけ方。食事の際、アンパンマンの人形を食卓の端に座らせ、「あ、ちゃんと箸使って食べられるかな?って、アンパンマンが言ってるよ」「あ、こぼしてる、って、アンパンマンが言ってるよ」と、すべての指示をアンパンマンに言わせる。これをやると、面白いくらいに自主的に行儀を正そうとする。まあこの手段がいつまで有効かは未知数。*1
そんなことをやりつつ、来週に迫ったウェールズでのシンポジウム原稿と格闘。だいたい形になったかしら。かつての「田舎者」論文をベースに、ネイティヴ・インフォーマントとしてのリップ・サーヴィスをちりばめ、最後はThe English Novel from Dickens to Lawrenceの読解。自分としては最後が一番のハイライト。'Double vision'を'a structure of feeling'と呼び、それが挫折する様を描くウィリアムズであるが、それはCulture and SocietyやThe Country and the Cityで示されているモダニティの様々な「分断」を乗り越えるための批評的アクションであった、といった流れ。
「田舎者」論文が日本で受けた種類の抵抗(受けたんです)が、ひょっとするとウェールズでは皆無だったりして、なんていう楽観的だか悲観的だか分からない予感もありつつ、とにかくも楽しみであります。
同時に当然後期は始まったので、授業準備の「自転車操業」を開始。非常勤のイシグロについては、第二次大戦前後のイギリス政治史をさらいつつ、飛んでサッチャリズムと「ヘリテッジ映画」の概論をまとめる。とはいえヘリテッジ映画についてこれまでちゃんと調べたこともないので、付け焼き刃でこの本を。
English Heritage, English Cinema: Costume Drama Since 1980
- 作者: Andrew Higson
- 出版社/メーカー: Oxford Univ Pr
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最後のフィルモグラフィが超便利。
あと、それとは直接関係しなくて、教科書企画に使えそうなこれ。
Film, Drama and the Break-Up of Britain
- 作者: Steve Blandford
- 出版社/メーカー: Intellect L & D E F A E
- 発売日: 2007/04/15
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ウェールズに関して、1982年に設立された、ウェールズ語テレビチャンネルであるS4C(Sianel Pedwar Cymru=Channel Four Wales)の存在が重要である。とりあえずそれだけメモ。
*1:と、思いきや、もう終了みたい。「野菜も食べようよ、って食パンマンが言ってるよ」と言ったら、食パンマン人形は「バシッ」と払いのけられてしまいましたとさ。哀れ。