夏休みはまだまだ来ない。どうなっているのやら。
某県立高校(進学校)より模擬授業のご指名。広報課には、なるべくご指名が来ないように、堅い文体のメニューを出しておいたのに。今回はそれがむしろ仇になった模様で、資料をもらってみると、高校でここまでやってるの? とびっくりするくらいに、イギリス文学・文化を教えている。『銀河ヒッチハイクガイド』を見せてるなんて、御法度でしょう(笑)。
で、ちょっと乗り気になってしまい、今回はこれまでのネタを放棄して、新ネタ仕込み。時間も二時間あるし。この二作品で行こうと思う。
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テーマとしては(1)女性の「自己実現」物語と階級(2)帝国主義・人種と多民族国家の二本立て。ジェイン・エアの「階級上昇物語」に対して、『ベッカムに恋して』の現代的「自分探し」=階級既得権放棄のリスクを伴った自己実現物語の対照、そして後者のテーマについては、バーサとジェインの遺産問題と、人種と階級関係が完全に逆転した『ベッカム』の現代多民族国家の対照。
そうはいっても、高校二年生相手には野心的に過ぎるか。間に『サルガッソー』をはさまないだけ、まだましだろうけど。