再演

 土曜は日本演劇学会の分科会にてウィリアムズシンポの「再演」。しかし、コンテクストが違うところに再演などあり得ないわけで、興味深い化学反応が起きる。

 こういう「他流試合」をするときによくあるのは、そもそものディシプリンの流儀を擦り合わせるのに時間を費やして、実質的な議論はできずに終わる、というものだが、今回もやはり超えられない壁を痛感。どうも、Aを出発点としてCという結論にいたるのに、「A→B→C」と進まなければならなかったらしく、私のように「A→E←Z→C」みたいな進み方(?)をするのがどうにも受けいれられない模様。逆に言わせると、「A→B→C」じゃ、面白くもなんともないわけで、喋る&書く価値なし、と思えてしまうわけだが。

 まあ、こんなもんでしょう。

 帰りの新幹線のお供。

夏への扉 (ハヤカワ文庫 SF (345))

夏への扉 (ハヤカワ文庫 SF (345))

 偶然の一致。というのは、ウィリアムズのSF/ユートピア論でモリスが出てきたところ、この作品は『ユートピアだより』やエドワード・ベラミーの『顧みれば』のアダプテーションなわけ。残念ながら、1970年のロサンジェルスで「車が消えた」時点でネタは全て見通せてしまい、あとは惰性。猫好きとペドフィリアには何か関係があるのか。

 しかし、疲れた。例の、「根本的に胆力に欠ける」状態。今日の授業でも、声が出ない。月末の小稿の締切、乗り切れるか。