ひさびさにがなると、喉が痛い。
- 作者: 中井亜佐子
- 出版社/メーカー: 研究社
- 発売日: 2007/12/22
- メディア: ハードカバー
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昨日サイードの本が届いたと思ったら、何の符合か、ご恵贈いただく。年末には届いていたみたいなのだが、最近(無)意識的にメールボックス=仕事の入り口を避けていたためか、今日ようやく。どのような反応が出てくるのか楽しみ、というのは意地悪な意味ではなく、齋藤一さんの『帝国日本の英文学』とならんで、いかなる反応/無反応が出るかが一種の観測気球(本の、ではなく研究者コミュニティの)になるような、というのはやはり意地悪か。というか無責任か。勉強します。
『他者の耳』は関係あるのかしらん。
The Destructive Element: British Psychoanalysis and Modernism (Language, Discourse, Society)
- 作者: Lyndsey Stonebridge
- 出版社/メーカー: Palgrave Macmillan
- 発売日: 1998/07/22
- メディア: ペーパーバック
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この本、id:melaniekさんの口から幾度も概要を聞いているので、ほとんど読んだつもりになっていたが、告白すると読んでおらず、この度エンプソンが論じられているというのを聞いて、ようやく開く。とりあえず第一章。
リチャーズとエンプソンを論じ、大まかにはリチャーズ=自我心理学的、エンプソン=フロイト的、もしくはリチャーズ=アンナ・フロイト的、エンプソン=クライン的という流れだが(って、雑駁すぎてMさんにしかられそう)、これがド・マンの「フォルマリズム」論文と並行していて興味深い。ド・マンはリチャーズを、「曖昧」を自我によって解消しようとするsalvational criticsの代表として扱い、エンプソンをその逆として論じているわけで。
とはいえ、クラインの位置づけはもっと微妙なのかしら。一方で文化に内在する「破壊的要素」を抉りつつ、もう一方ではredemptionを志向するあたり、アンビヴァレントなのだろう(redemptionとド・マンのsalvationも呼応しているわけだ)。
何にせよ、エンプソンのキー・テクストである「死とその欲望」という論文を未読。慌てて古書を注文。