古本三昧

 星印は消せない方針らしい。はてな

 古本で歴史的資料に属するものを探すのが楽しいのだが、今日はこんなのが届いた。

Mary Kelly, Village Theatre. London: Thomas Nelson & Sons, 1939.

 こんなの注文してたっけ。何かの論文で存在を知って注文したのだろうが、もはや思い出せない。それでも、1939年に出ているその名の通りvillage theatreまたはdramaの歴史、となると、ウルフの『幕間』との関係が気にならざるを得ない(というより、誰かの『幕間』論でこの本を知った可能性も否定できない)。

 筆者のMary Kellyは、タイトルページによるとBritish Drama LeagueのVillage Drama Sectionのsecretaryらしい。この人、この組織についても詳しい人がいそうだな。そう、そこのあなたですよ(また、手軽に情報を手に入れようとしているなまけ者……DNBに載ってるみたいだし、自分で調べろ、と)。

 もう一冊、最近届いた古本。

O. G. S. Crawford, Archaeology in the Field. London: Phoenix House, 1953.

 Field archaeologyとは、発掘のことではない。風景を俯瞰的に見て、それを「読む」という娯楽(sport)で、風景の中にパリンプセスト的に(Crawford自身の言葉)重なった歴史を読み取るのである。これまた『幕間』とからむ。

 実際、本書の中には風景の俯瞰写真が多数収録され、読解されている。たまたま開いた第20章の冒頭は'Field archaeology is an essentially English form of sport'とあり、その理由としてイングランドでは他の国より素材がよく保存されており、様々な縮尺の地図が完備されており、そして、過去には有閑知識階級が田舎に家を建てたから、と。うっはー。