団地とファシズム

 「はてな」に新しい機能がついたみたいで、なんだか分からないうちにクリックしてみたら、自分の記事にお気に入りの星印をつけてしまいました。消せないのかな、これ。

Geographies of Modernism

Geographies of Modernism

 昨日はこれの読書会。

 全ての論文が短く、どれも半端な感じがするということで一致。ただ、ビッグネームもたくさん寄稿しているので、それぞれ自分の単著の一部とか、研究メモを寄稿したに違いない。

 ヒュイッセンの章以外で一番面白かったのは、Andrzej Gasiorek, '"Architecture or Revolution"? Le Corbusier and Wyndham Lewis'であった。

 タイトルの通りウィンダム・ルイスとル・コルビュジエの比較だが、ウィンダム・ルイスの1919年の著作Caliph's Designがキー・テクストで、中央の統制による都市計画の必要を訴えたものらしいのだが、ぜひ読んでみたい一冊(古本を注文)。

 戦間期の建築や都市計画は最近関心を持って調べている分野なので、非常に興味深い。Gasiorekはこの二人を論じつつ「ファシズム」という用語はあくまで使わなくて、それはそれで不満が残るのだが、考えてみればル・コルビュジエの建築は人間の健康な身体を住まわせる有機体的建築などというものからはるかに先に行って、「人間なき建築」をデザインした部分もあるわけで、ファシズムユートピアをはるかに突き抜けてしまったともいえる(その後有機体的形状へ転向してしまうとはいえ)。

 ちなみに最近別の研究会で建築士の方に聞いた話だが、ル・コルビュジエの建築の行き着いた先はひところの「団地」だったのであり、無味乾燥な団地が人間の精神をむしばんでしまったことは象徴的である。話はどんどん逸れるが、これ↓はそのような「団地の狂気」を描いた作品だったわけだ。

童夢 (アクションコミックス)

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