紙一重

 本当は今頃、松山に出張しているはずだったのが、突然の中止。とつぜんぽっかり時間が出来て、さあ何をしようとワクワクしている間に一日が過ぎ去ってしまった……

Geographies of Modernism

Geographies of Modernism

 以前、ヒュイッセンの序章を紹介したが、今週の研究会で読むこととなり、いろいろ読む。ないものねだりだろうが、あんまり統一感ないな。

 私の担当の、Christopher GoGwilt, 'The Interior: Benjaminian Arcades, Conradian Passages, and the "Impasse" of Jean Rhys'については、GoGwiltさん下記の本を以前読んでいたので手を挙げたのだが、ちょっと「紙一重」な議論はあいかわらずだな、という印象(その紙一重っぷりが結構好きなのだが)。多分、ベンヤミンの『パサージュ論』でコンラッドの『シャドウ・ライン』が一瞬触れられているところから出発した論文なのだろう。

 しかし、ベンヤミンを持ってきて一丁上がりって、いい加減どうなんだろうと思わなくもない(って、私自身がやってることだが)。でも、20世紀前半の作家の「同時代人」として扱った時にある意味「何でも言えてしまう」懐の深さというのは、確実にあるわけで。

The Invention of the West: Joseph Conrad and the Double-Mapping of Europe and Empire

The Invention of the West: Joseph Conrad and the Double-Mapping of Europe and Empire