10年ぶり

ベンヤミン・コレクション〈4〉批評の瞬間 (ちくま学芸文庫)

ベンヤミン・コレクション〈4〉批評の瞬間 (ちくま学芸文庫)

 第三巻が10年前に出て、あれで終わりかと思っていたら出た第四巻。あとがきによるとこれは「ベンヤミン・コレクション第二期」であり、この後『5 思考のスペクトル』『6 断片の力』と続くそうだ。さらには、同じくちくま学芸文庫で出ている『ドイツ悲劇の根源』『ドイツ・ロマン派における芸術批評の概念』も入れて、最終的には「全集」を夢見ているそうである。ぜひ実現していただきたい。

 本巻は、いきなり「雑誌『新しい天使』の予告」から始まり(『新しい天使』は予告だけで結局実現しなかった)、あとは「ボードレールにおける第二帝政期のパリ」、そして一連のブレヒト論が目玉だろう。うむ、当面の仕事を放り出して玩味したい欲求が。でも、だめ。