ジェイムソンについてコメント欄が盛り上がっている一方、今書いている(書こうとしている)論文のためにいろいろ再読。で、持っているはずのこれ
- 作者: Andreas Huyssen
- 出版社/メーカー: Indiana University Press
- 発売日: 1987/02/22
- メディア: ペーパーバック
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が、見つからない。3千冊ほどある蔵書は目録化してあって、所在がすぐわかるようになっているのに、どうしても見つからない……こんなことは初めて。育児脳になっているせいか。読んだはずのこの本が「マスカルチャーは女性として表象された」という一文だけで私の記憶に登録されているのはどうなんだろう。いや、人間の記憶力なんてそんなもんか。しかもこのテーゼ間違ってるかもしれないし。
モダニズム文学では、女性がハイカルチャーの保持者であり、男性(労働者階級から下層中産階級の)がそこから疎外されつつそれを希求するというナラティヴが数多く存在する。私の専門のヴァージニア・ウルフもそうで、『ダロウェイ夫人』のクラリッサとセプティマスであるとか、『波』の冒頭の、別荘で物書きをする女性だとか。この辺の作品と、『ハワーズ・エンド』や『ダロウェイ夫人』と非常に類似しているキャサリン・マンスフィールドの「園遊会」、これらの作品を比較する論文(というかちょっと一般向けの読み物)を書くつもりで、そうするとヒュイッセンの説はどうなるのかしらん? と思ったのだが、本がない。