或る大学教員の一週間

 「忙しい」というのはほとんど時候のあいさつみたいなものであるのが普通だが、本当に、文字通り忙しい。先日、非常勤先で授業アンケートがあり、同時に教員向けのアンケートもあった。その質問事項に「本セメスター、もっとも時間をかけているものは?」「二番目にかけているものは?」というものがあった。選択肢は研究・教育・大学業務・その他とあるのだが、三秒考えて(1)教育(2)業務と答えた。答えて、少しだけ泣いた。実際、そうなのである。「お仕事」(研究や翻訳など)がここのところまったく手につかない。

 去年の今頃はこんなことはなかったので、ちょっと一週間の生活を見直してみることにする。研究の時間以外をリストアップしてみると、


(1)授業と準備
 準備には大体1〜2時間かけているので、1コマを3時間とすると、
 週11コマ×3時間=33時間

(2)通勤
 計4時間程度

(3)会議
 週1回はなんらかの委員会・会議があるので平均2時間

(4)その他の業務
 これは計算が難しい。週によってさまざまな日常業務、出張(高校訪問や模擬授業)があるので。ここは適当に、一日平均1時間として(もっと長い気もするが)、7時間。

(5)睡眠
 最近は6時間から7時間。計45時間とする。

(6)その他の生活
 食事に一食30分かけているとして、約11時間
 家事(買い物なども含む)も計算は難しいが5時間としておこう。
 飲酒。毎日寝る前1時間くらいは飲んでるので7時間。


 こう計算してみると、労働時間に含まれるのは(1)(3)(4)で、これだけでもう42時間。研究者としての「労働」にはもちろん研究の時間が入るわけで、完全に労基法違反だ。で、合計を週168時間から引いてみる……と、あら、54時間もあるよ。それだけあればもっと研究できていておかしくないのだが。ネットに没入したりして、無駄にしている時間がかなりあるはず(今がそう)。生活を改めるべし。