「女子大」

 中京女子大が、名前は「女子大」のまま男子も受け入れを始めるそうな。

 共学化というのは、おそらく現在の全ての「女子大」の改革オプションに入っているものだろう。それを実行して、少なくとも短期間は学生を増やしている大学もある。ただし、大学のような「イメージ産業」(富士フイルムとかコダックの話ではなく)において、「女子大」という看板を捨てるかどうかというのは、それはもう微妙この上ない選択となる。「女子大」が社会的には一定のオーラをはなつ一方で、現実の受験生には女子大が忌避されていたりする。また、女子大ではない「普通の大学」になった、その後のことへの不安が多くの女子大の決断を保留させている。

 そんな中、看板はおろさずに中身だけ変えるというのは、ほとんど反則でありながら一番合理的な選択である。イメージは残しつつ、受験生は確保する。限りなく黒に近いグレーである。限りなく黒に近いグレーは御用になるのが昨今の定石であるが。