- 作者: 矢作俊彦
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2003/09/25
- メディア: 単行本
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矢作俊彦『ららら科學の子』を読了。
あまり、面白くない。大学紛争で機動隊員を殺人未遂した男が、文革の中国に逃亡、30年ぶりに日本の土を踏む。そんな男の、現在の日本に対する人類学的視点に面白みがあるかといえば、ケータイやルーズソックス(というか、ルーズソックス履いてるのか?今?)という紋切り型だし、物語はどうやらディアスポラという主題に収斂したりして、どうも、そこには「想定された読者」に対する自意識が臭ってしまう。
奇しくも先日の村上龍の政治的無意識さと好対照をなしているような。
本日は土曜日出勤でヘヴィーな会議もあり、またまたぐったり。コンフェデ杯(サッカーね)の決勝を観たいと思っていたが、寝ちゃいそう。
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ジュリアン・バンダ『知識人の裏切り』宇京頼三訳(未來社,1990)
シオドア・スタージョン『人間以上』矢野徹訳(早川書房,1978)
奥泉光『鳥類学者のファンタジア』(集英社,2004)
『新・地底旅行』(朝日新聞社,2004)
研究費購入。バンダの名著は、レイモンド・ウィリアムズ『文化と社会』で描かれるロマン主義に発する「知識人」の伝統を考える上で必読書だろう。「知識人」は原題では"clercs"であり、Coleridgeが「文化/教養」の旗手たるべしと構想した"Clerisy"に一致している。