第24回Third-Wave Feminism読書会/第46回新自由主義研究会

 告知でございます。

第24回 Third-Wave Feminism 読書会

会場: お茶の水女子大学 文教育学部1号館 716号室
日時: 2015年8月10日 16:00〜
課題図書: 越智博美・河野真太郎編著『ジェンダーにおける
       「承認」と「再分配」――格差、文化、イスラーム
       彩流社、2015年。
報告者: 丹羽敦子、山口菜穂子、大理奈穂子、岩瀬由佳、
      松永典子 (敬称略、報告順)

第46回新自由主義研究会

日時:2015年8月23日 16:00〜
場所:一橋大学国際研究館5階ゼミ室2
課題図書:二宮元『福祉国家新自由主義――イギリス現代国家の構造とその再編』(旬報社、2014)
担当:西

今回は二宮元『福祉国家新自由主義』を読みます。本書は、新自由主義福祉国家への批判とその解体とする従来的な見方を批判的に検討することをその主眼の一つとしています。この見方を採用してしまうと、「小さな政府」との表現に端的にみられるように、新自由主義市場原理主義と大きく変わらないものとされてしまうわけですが、しかし、イギリスを対象として見た場合、これでは「実際にはサッチャーらの改革は福祉国家の調整程度にとどまった」との結論に向かうことが多く、それらが社会全体にもたらしたインパクトを正確にとらえることができません。また、この議論枠ではイギリスにおいて新保守主義と呼ばれる潮流がなぜ新自由主義に先んじて台頭したのか、という問いについても答えることができません。新自由主義の文化とその系譜をたどることを主たる眼目とする本研究会にとって、新保守主義の台頭を整理することは非常に重要な作業となります。本書はイギリス戦後コンセンサス政治の分析を通して、福祉国家と寛容な社会という戦後社会統合構造の二本柱を明らかにしていきます。新自由主義新保守主義はこれらにそれぞれ対応する形で台頭したものであり、決して予定調和的な補完的関係でなかったことが明らかとなります。時に影響し合い、時に対立もする両者の関係を実際の政治と制度の変遷において整理する本書の議論を通じて、新自由主義の文化論をさらに深める機会にできればと思います。どうぞ、ふるってご参加ください。