BI

 昨日は新自由主義研究会。『現代思想』のBI特集を全部読む会。学期末で力尽きた人が多いこともあったのか、参加者が少なめで残念ではあったが、充実した研究会であった。

 個人的には、最初に述べた通り、BIで鍵になるのは「労働」の概念の拡張である。鍵となるということの意味は、これも述べた通り、労働のカテゴリーの拡張が、BIの(強いられた)前提条件であるとともにその結果でもある、ということである。前提条件である、ということについては、これまで「感情労働」や「ポストフォーディズム労働」といった言葉で分節化されてきたところであるが、労働が賃労働の枠をこえて、「活動」の領域までを浸透したということである。BIはその事実を「徹底化」するものであり、新自由主義的だといえば、原理上そうなのである。しかし、だからだめ、とはならない、それが重要なのだ。

 特集の中では、山森亮氏のまともさ、粘り強さと関廣野氏の議論の異質さが光っていた。後者についてはインタビューでも伺ったところだが、BI(関さんの場合社会信用論)に対応する政治組織がいまだ想像不可能であるが、それが実現されないかぎり真のBIは実現不可能であるというラディカルな論点が、突出していると思う。政党政治の不調と金融資本主義の危機が明らかになっている昨今、関さんの言葉は清澄に響く。

 ところで、飲み会では「あんた風邪ひいて死んでるといいながら別館の写真は毎日更新してるじゃん」という指摘があったので誤解を解いておくと、あそこにアップロードしている写真は、文字通り毎日撮って毎日上げているのではなく、現在はこれまでのストックを、朝起きた時=パソコンをたちあげた時に、習慣的にアップロードしているのであります。ストックが枯渇しつつあるので、「一日一枚」はそろそろ無理かも。