休刊

 ちょいと衝撃のニュースが入ってきた。Asahi.comより。

「英語青年」休刊へ 110年の歴史に幕

2008年12月16日

 1898年創刊の英語・英文学研究誌「英語青年」(研究社発行)が、来年の3月号(通算1921号)で休刊する。英語・英文学会の告知などの情報や連載は、研究社のウェブサイトで続けるという。

 英語独学の専門誌としてスタートし、戦時中も発行を続けた。50年代には英語学者でエッセイストの外山滋比古お茶の水女子大名誉教授が編集長を務めた。大学の英語・英文学の研究室の大半が購読し、「英語青年」に論文が載ることが権威だった時期もあるが、大学の学部再編の流れで英文科が減ったことなどから、最近の実売部数は3千程度になっていた。

 「英語青年」編集人の星野龍さんは「ウェブに移行してコストは10分の1ほどになります。連載や学会情報などもできるだけ引き継ぎ、英語・英文学会の情報発信機能を守りたい」と話す。(加藤修)

 おやおや、困った。完全になくなるというわけではないにせよ、最近は好き放題にやらせてもらっていたので……(そのせいか? そんなわけない)。

 「英文学的教養」の歴史的役割の終焉と言ってしまえば当たり前すぎる所見になるが、起こっている事態というのは、ここに書かれてある通りこの雑誌を定期購読していた大学の英文科の減少によって購買数が減ったという当たり前のことなのであって、なおかつこの雑誌がそれ以外の新たな読者層を開拓することもできなかったということなのだが、これまで比較的好きなことを書かせてもらった立場からして、これは人ごととして言っているわけではなくて、「自分が書いたものを読んでくれる層」がいかに減少しているかの証左なのでありまして。いや、「書いたものを読んでくれる層」というものが前もって存在していて、それに向かって書くという書き方以外ができなくなっているということがそもそもの問題であろう。未知の読者に向けての書き方を練ることができるかどうか、そういう挑戦状を、この休刊は「英文学者」にたたきつけているのだと思う。

 あれだな、新しい雑誌でもつくろうか。