さらに準備。

Seditious Allegories: John Thelwall & Jacobin Writing

Seditious Allegories: John Thelwall & Jacobin Writing

 ふむ。ジョン・セルウォールを中心として、1790年代の(イギリス)ジャコバン派の、政治的著作における「アレゴリー」ばやりを論じる。知識が足りないながらも、何かがひっかかる。ひとことで言えば歴史性の問題かもしれない。この本が、当時のアレゴリーの文脈を丁寧に再構築することだけを目的とするのであれば、大いに不満ということになるが、少なくとも(まだイントロダクションとちょっとしか読んでないながら)それだけではなさそうな感触。要するに、(思いきった「予言」だが)この本は、イギリスでのボルシェヴィズム的な(と言ってしまっていいのかどうか。60年代左派的な、でもいいのだが)ジャコバン派・ロマン派受容と、微妙な距離感を確保しながら書かれているのではないかと。だとすると、問題はアレゴリーの「読みの歴史性」の問題になってくるのか。いや、完全な臆断ですけど。読み進めます。