- 作者: ブライアン W.オールディス,伊藤典夫
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 1977/01/28
- メディア: 文庫
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読んだ、と思っていたら読んでなかったので、読んだ。
なるほど、『ナウシカ』や『暁星記』の一番主要なソースはこれですね。
センス・オブ・ワンダーなんて口にするのも気恥ずかしいが、確かに息づいている、センス・オブ・ワンダー。
しかし、実際のところ、この倍くらいの長さが必要な作品ではないかと。「月」から帰ってくる人たちの動機や行動がおざなりになってしまっているのが残念。
エドガー・アラン・ポーの慧眼(作品は一度座って立つまでに読める短さでないとダメ、というやつ)を引くまでもなく、長さ/短さという要素は、小説にかぎらず、近代の芸術作品にとって決定的に重要である。音楽や映画も「長さ」に関して決定的な制約を抱えている。そういう研究はあるのかしら?
オールディスについては、訳者のあとがきを信じるなら、かけ出しだったオールディスにとっては「アメリカ市場への売り込み」と長さの制約が関係あったのだろうかと勘ぐってしまうが、最初は雑誌に掲載されたものらしいのでそっちの要素の方が大きいのか。
と、些末なことが気になってしまう。