- 作者: 木畑洋一
- 出版社/メーカー: ミネルヴァ書房
- 発売日: 2007/06/01
- メディア: 単行本
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いつの間にか第5巻が出ていたのであわてて目を通す。このシリーズ、なんといっても「20世紀」であることがミソで、20世紀を、それもその後半を「現代」ではなく「歴史」としてとらえ返していく作業(文学史でも盛んになりつつある兆しが見える)の価値ある成果だろう。
とりあえず第二章の「多民族・多文化国家イギリス」が有り難い。
ところで、コラムに「英語帝国主義論」というのがあり、誰かと思えば斎藤兆史。ポストコロニアル作家の名を挙げて(ラジャ・ラオ、チヌア・アチェベ、グギ・ワ・ジオンゴ)、英語で書くことを正当化して「結果的に英語帝国主義を助長している」ってそりゃ暴論だろう。というか、グギ・ワ・ジオンゴは英語で書くのをやめてギクユ〔キクユ〕語での創作活動をしているのだから(自分で英語に訳したりもするが)、単純に間違い。
それはともかく、残るは第4巻。楽しみにしてます。