はしご

 一泊で東京。研究会×2。

 昨日はレイモンド・ウィリアムズ研究会。

Culture and Society, 1780-1950

Culture and Society, 1780-1950

の、最終回。結論部には、それに感銘を受ける以外の読み方をするのはかなり難しい。何にせよ、オーウェルの章も含めて改めて感得されるのは、ウィリアムズの「弁証法」であり、所与の条件から軽々しく踏みださず、かつその条件から新たなものを紡ぎ出す具体的な戦略が手探りされているということ。それがウィリアムズの「限界」であるというのは簡単だが、そのような読み方をするくらいなら、そもそもいまさらウィリアムズを読まなければいいわけで。

 そしてやっぱり朝まで飲み、歌う。

 本日は日本の批評の研究会。江藤淳の「転向」問題と、東浩紀について(二人の関係ではなく、別々の報告です)。私は二人ともしっかりテクストを読んでいない(東浩紀はそれなりだが)のだが、読んでいないなりに面白かった。偶然ながら江藤と東を並置すると、批評言説の置かれている位置がいかに断絶しているかよくわかった。イギリスをやっている者の感覚からすると、この二人にはほぼ19世紀と20世紀後半くらいの断絶感がある。江藤淳と、アーノルドからリーヴィスにいたるイギリスの「批評」の親和性(というか、江藤自身その辺は読んだのだろうけど)。

 ここ二日で東京の桜は一気に開いて、見頃になってました。

 これで「春休み」のメニューは一通り終了。研究発表を2つ、帰省を挟んで研究会2つ。充実。