長時間会議。最近、黙って座っているのが耐えづらくなっている。いや、耐えられなくなって突然立ち上がり、徘徊しはじめるとかじゃなく、しゃべってしまうのです。まずい(何が?)。
最近、ワルシャワにいる、年齢にして数歳下の友人(あなたですよ、Mさん)から、「いやー、人生って自分で選択しているように思えて、実ははじめから道は決まってるのよねー」といった主旨のメールをいただく。なるほど。
現在の標準的日本人(その友人はあんまり標準的じゃないのでいきなり破綻してるが)の「スピノザ適齢期」は30才前後(特に前)であることが、統計的に証明されました(統計的に、はウソですが)。その友はスピノザを読んでいるわけではないと思うが、スピノザ的認識に到達している。それは、これからの自分の人生はだいたいこうなるだろうな、という認識に端を発する。その恐ろしい予想を胸に自分の過去を振り返ったとき、自分が「自由意志で地面に向かっていると思いこむ落下中の岩石」だったことに気づく。それが、だいたい30才前後。
もちろん私が単に成熟が遅いだけで、「オレなんて大学時代にスピノザを読んで涙したぜ」という方もいらっしゃるかもしれなし、「いや、オレは高校時代に読んで、高校中退して漁師になったぜ」という方もいるかもしれない(漁師のみなさん、ごめんなさい)。
しかし、昨今のニート談義での「夢追う若者」のイメージだけを見ると、どうもそうではない。30をとうに越えた人たちが、将来に無限の可能性を見ているということになっているが、はたしてそんなことがあり得るのか。ないない。いや、あるのか?
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