直訳すると・・・

DEATH NOTE デスノート(1) (ジャンプ・コミックス)

DEATH NOTE デスノート(1) (ジャンプ・コミックス)

 なんだか、話題の『DEATH NOTE』。『死の音色』?『死の通牒』?そうではなく、『死のノートブック』である。全国模試余裕で一位の高校生がこれを拾い上げ、「Death Note? 直訳すると、死のノートか。」と言うところで「なんでやねん」と一斉にツッコミが入るわけだが、そういうツッコミどころ満載なのは措くとして、おもしろいねえ。これ。

 顔を知っている人間の名前を書き込むと、書き込んだ通りにその人間が死ぬというノートブック。これを手にした悪魔的な(?)高校生の物語なのだが、物語構造は、探偵小説(漫画)のちょうど逆。つまり探偵ものが「与えられた条件(例えば密室)で行われた完全犯罪を解きほぐす」物語ならば、これは「与えられた条件(顔と名前を知っていること)の中でどうやって完全犯罪を遂行するか」という過程を楽しむ物語だから。探偵と犯罪者(警察のコンサルタントのLと主人公の月)が人格的に通底している(ホームズとモリアーティのように)のも、探偵ものの文法にそっている。