文化のハイブリディティ

文化のハイブリディティ (サピエンティア)

文化のハイブリディティ (サピエンティア)

 翻訳しました。半分緊急出版のような形ですが。

 この本の一番えらいところは、異種混淆性といった議論をする際に、西洋もしくは西洋に食い込んだ非西洋の理論家や批評家だけを扱うのではなく、それこそ理論の異種混淆性ということを実践してみせたことでしょう。特にラテンアメリカの学者について。ただし、これを説得力持って実践するには並外れた知識と見識を必要とする。その先はもう「ピーター・バーク芸」とでも言うしかないような世界です。私があとがきで書いたようなこと(ちょっとしたないものねだり)は、バーク氏にはあっという間に反論されてしまうのかもしれません。