実のところ、4月から二ヶ月あまり、授業のパフォーマンスという意味では絶不調が続いていたのだが(5月中は変な鼻風邪が続いたせいもあるけど)、ようやく油が乗ってきた感じがする。その調子で非常勤三コマをこなし、あいかわらず疲れる電車内で読んだのはこれ。
- 作者: 全国大学高専教職員組合
- 出版社/メーカー: 旬報社
- 発売日: 2009/03/01
- メディア: 単行本
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やはりね、国立大学(法人)で食っていくことになったとなれば、国立大学(法人)の現状を把握しておく必要があろうと思って。非常にコンパクトに大綱化以降、法人化以降の国立大学(法人←しつこい)の状況と問題点がまとめられている。ある程度、私立大学にも通じる話なので、大学全体の状況の話としても読める。関係諸氏はぜひ一読あれ。
わたし、昔のゆるーい場所だった大学へのノスタルジアを隠すつもりもなく、ゆえに、研究してる様子もなければ学内業務についても不思議と業務の方から逃げ出していくような種類の人たちを許容できる場が大学だと思っていた節があったりして、これを読むとそれが決定的に「失楽園」になってしまったんだなあと嘆息するしかないわけです。
そういう個人的感慨はともかくとして、今苦境に立たされているのは地方国立と教員養成系大学であって、教育における地方格差という問題が今後はかなり赤裸々なものになっていくだろうということが数字をもって理解できてしまう。とにかく、これまでもずっと日本は教育に税金を使ってこなかったという事実を、時代遅れで的外れな新自由主義的高等教育政策に対して強調していくことが必要だろう。