ほっと一息。まだ来週も授業はあるのだが、とりあえず一段落。某学会の論集編集など、やることは山積みだが、ちょっと一息(すみません)。
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『流れる』よりは落ちるか。
しかし、興味深かったのは、戦争とセクシュアリティの問題である。
高峰秀子演じるゆき子と、富岡が出会うのは大戦中のヴェトナム。これが、戦時中であることなど露も感じさせないパラダイス的な空間として描かれ、残るはそこからの失楽園物語である。ヴェトナムは、二人の不倫関係があだ花の如く咲いた祝祭的空間。
終戦直後(といっても1955年作品なので、相対的な意味で直後)の作品において、戦争が忌まわしい思い出としてではなく、上記のような祝祭的モメントとして描かれる。これで思い出したのは、id:takashimura氏によるDavid Hare論。戦後イギリスにおいて、戦時中が同様の、セクシュアリティの祝祭として想像されたという話。
もちろん日本は敗戦しているので、戦後が「失楽園」であるのは当たり前だが、洋の東西、戦争の勝敗を超えて、同じような現象が起きていることに感心した。