VはヴェンデッタのV

 明けましておめでとうざいます。

 って、もう6日か。今年の正月はまったく正月らしいことせずじまい。餅を食べたくらいだろうか。初詣にも行かず。まあ、ここ2年は日本で年越ししていなかったので、久々の自宅での正月ではあった。

V for Vendetta

V for Vendetta

 論文執筆のかたわら、頭休めに(というにはちょっと重めだが)。

 ナタリー・ポートマン主演、『マトリックス』のウォシャウスキー兄弟が製作・脚本の映画がそろそろ公開されるということで、「にわか」ではあるが、読む。

 映画の予告はこちら。
http://wwws.warnerbros.co.jp/vforvendetta/

 まあ、あれです。オーウェルの『1984年』的世界観、ガイ・フォークスをモチーフとしたダーク・ヒーロー、全て「どこかで見た」もののリミックスなわけですが、そのリミックスの妙を楽しむ漫画でしょう。近未来イギリス(といっても設定は1996年なので、今や過去ですが)のファシスト指導者の「本気」さ(世界大戦を経て危機に陥る国を救うという志の純粋さ)が良い(って、おいおい……)。

 ファシズムと言えば、以前の研究会で、イギリスのファシズム(オズワルド・モーズリーのBUF)が失敗した理由として、労働党による包摂ということもあるのだが、モーズリーという人物がブルジョワのぼんぼんであって、労働者階級を動員できなかったというのに頷いたことを思いだす。この漫画も、サッチャリズム下で『1984年』的近未来を描いてみせたのだが、その「近未来」に成立したのはブレアの労働党政権。奇妙な反復をしてるなあ、と。